母なる自然のおっぱい (impala e-books)
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知性を武器に向上心に駆られて生活をどんどん変えた結果、今はひどく寂しく不安なことになっている。
人間とは何か。人間と自然はどういう関係にあるのか。われわれの日々の生活がどういうメカニズムを経て自然を変えるのか——。
捕鯨や狩猟、エコロジーの実験、山、川、樹木、風景などについて思索する。極めて知的で創造的な、自然と人間に関する12の論考。読売文学賞受賞作。
【目次】
Ⅰ
ぼくらの中の動物たち
ホモ・サピエンスの当惑
狩猟民の心
Ⅱ
ガラスの中の人間
Ⅲ
旅の時間、冒険の時間
再び出発する者
Ⅳ
川について
風景について
地形について
再び川について
Ⅴ
いづれの山か天に近き
樹木論
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp