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源氏物語〈第6巻〉宿木~夢浮橋 (ちくま文庫)

価格: ¥1,680
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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読みやすく、理解しやすい ★★★☆☆
全54帖の源氏物語は相応に長いです。
どうしても同じ集中力で読み続けること難しいもので、かといって古典となるとすこし散漫になるとすぐに話の筋を見失ってしまいます。
この本の特徴である「ひかりナビ」は読んできた部分をもう一度解説してくれるので、軌道修正が容易にできます。数多き登場人物、同じ名前の別人が多い源氏物語ではとても便利なものだと思いました。

ただ私としては、特に宇治十帖におけるある点で「ひかりナビ」には好印象を持てませんでした。
あまりにも著者の登場人物に対する主観が述べられすぎ、と思います。登場人物に対し、どう感想を持つか、もっと読み手に自由を与えてほしかった。
薫に対する辛辣な評価は、的を射ている部分もあるのでしょうが、私には不快でしかありません。
事実を客観的に述べる分にはとても重宝するものですが……。

とはいえ、その点を差し引いてもお勧めできる一冊です。
最終巻が一番面白い ★★★★★
 最終巻だが俄然面白い。光源氏の息子とされているが、実は柏木の息子にほぼ間違いないあの薫クンが「中の君」にしつこく接近する様が非常にいやらしい。大塚ひかりセンセの「ひかりナビ」も絶好調で、ここで充分「イケます」「抜けます」、頼れます。女二の宮なる16歳のギャルと結婚しようというのに人妻が好きな薫、今や「奇妙な男」から「気持ち悪い男」になってしまっている。中の君はこの「女々しい」薫を突き放したいばかりに、浮舟のことを漏らす。するとこの薫、今度はこの浮舟に接近、ついには宇治に拉致してしまう。浮舟の悲劇はさらに続き、薫を装った匂宮に犯される、いやはやなんとも。
 薫と匂宮、二人のスケベ人間の間をゆれる浮舟はついに・・・・・。

 身分差を原因とする中世格差社会のコミュニケーション・ブレイクダウンとメロドラマを背景に、東国の実力者の姿がちらほら見え、いよいよ武士階級の出番が伺われる重要なターニング・ポイント。これをさりげなく描く作者紫式部の歴史観、すごいと思う。また、この「宇治十帖」、尻切れトンボで終わっているのも極めて現代的で面白おかしな21世紀的なドラマの終わり方ではないだろうか。

 古典新訳ブームの中、ついに全6巻にもわたる「源氏物語」の現代語訳を読み終えることが出来た。それもこれも、大塚ひかりセンセのナビゲーションに依るところ大である。過去何度か繰り返された現代語訳であるが、大塚訳はそれらの中でも特異な位置を占めている。いつの日か再読してみたいと思わせる好新訳である。