自閉症児が書いた手記
★★★★★
本書の大部分は、なおきくんの手記によって構成されています。
後ろから、数ページについては自閉症についての説明や
なおきくんにスポットを当てた、自閉症を理解するにあたっての
文章が書かれています。
私が、なおきくんの手記でハッとした部分があります。
「ようち園でも先生の言っていることがわかってはいますが
そのとおりにやることは出来ません。ほかの子のように
じっとすわってせきについていることすらぼくには
むずかしいのです。」
ともすれば、わがまま、身勝手ととることもあるかもしれません。
しかし、なおきくんは、頭の中で先生の言っていることが
分かっていても行動にうつすことができないのです。
これも、障害からくる困難であることに気づきました。
また、席でじっとしていられないのも障害からくる
困難にあたるのだと思います。
自閉症について知りたい、と思う方は
自閉症であるなおきくんの書いた本書を読むと
理解への第一歩を踏み出すことができると思います。
本書を通して、自閉症について知りたいと思うと同時に
他の障害についても少しでもいいので知りたいと思う方も
でてくるのではないでしょうか。
様々なことを考えさせられる一冊です。