Newton 宇宙はほんとうに無から生まれたのか
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この電子書籍は,科学雑誌『Newton』2013年3月号に掲載された特集記事の電子版です。同じ号に掲載された他の記事は含まれません。記述は掲載時の情報にもとづいたものです。一部画像の削除等,紙版とは異なる場合があります。大きいサイズのカラーディスプレイをもつ端末でお楽しみください。この電子書籍は紙版と同一のレイアウトで固定されており,テキスト検索や辞書機能,ハイライトなどの機能は使用できません。端末を横向きにすると見開きページとして表示されます。
<本特集記事の内容>
この広く大きな宇宙にも,はじまりの瞬間があったという。宇宙,つまり私たちの今いる世界が生まれた瞬間がどのようなものだったのか,物理学者たちはさまざまに考えをめぐらせてきた。
そして1980年代,物理学の2大理論である一般相対性理論と量子論を使って,宇宙誕生の瞬間についてのシナリオが考えられた。それによると,私たちの宇宙は何と,時間も空間も何もない「無」から生まれてきたというのである。
ところが残念なことに,このシナリオはまだ仮説にすぎない。宇宙誕生の瞬間の謎は,これら2大理論をもってしても完全に解き明かすことはできていないのだ。現在,この最難関の謎の解明に最も近い理論は,万物を極小のひもとみなす「超弦理論(超ひも理論)」である。この理論をもとにした宇宙創生論は,さらに奇妙なことをいう。私たちの宇宙の“外”に別の宇宙があり,その宇宙のおかげで私たちの宇宙は生まれたというのだ。
宇宙誕生の瞬間を解き明かしたとき,私たち人類は,大きな知の革命をむかえることになるだろう。総ページ数:24ページ