コロボックルの世界を知らないひとには、おすすめはできません。残念ながら(けれどもすこしうらやましい)そういう方は彼らの冒険を一作目からきちんと読んでいってください。この物語はいままで登場したコロボックルたちがほぼ総出演か、そうではなくてもその行く先が知らされる、いわばエンディングのようなものなのですから。
とはいっても単なる内輪ネタで終わるようなくだらない作品ではありません。むしろコロボックルを主題とした数多い作品群のなかでも、一位かそれに準ずるくらいわたしはこのお話にほれこんでいます。
「ヘンな子」と呼ばれても、社会からはすこし浮きあがっていても、身を置くところはきっとどこかにあるのです。