こわいんだけど面白い
★★★★★
よくはたらいて飯をくわない女房を欲しがる男が出てくる冒頭から、子どもは「この人よくばりだね」と言っていました。さらに次のページに行くと「うつくしいむすめ」が出てくるのですが、子どもはあまり美しくないと思ったのか、何やら疑いの眼差し。
そして飯をくわないはずの女房がおにばばで、どんどん恐ろしい形相になっていくところから、物語は勢いが出てきます。怖がりの私は本当に怖かったのですが、おばけ話が好きな小学生の子どもは、ものすごく気にいったようです。ラストまでぐいぐい引き込まれていくストーリーでした。
ページごとの絵の構成が異なり、見開きいっぱいに描かれているぺージ、左のページに男がちょこんと立ったり座ったりしているページと、絵もとても魅力的です。
ほどいた髪の間から大きな口がざくっ
★★★★★
しとやかで美しい女房が実は恐ろしい山姥だったと知った男が、山へ連れて行かれ食われそうになるところを、命からがら逃げ帰る話。夫が仕事に出かけた後、しとやかな女房の態度が一変して、米俵の米をじゃぎじゃぎといで、釜をぼんぼん焚いて、握り飯をがつがつ食うシーンが面白い。こんな奥さんいそうである。現代劇にしても面白そう。女房のほどいた髪の間から大きな口がざくっと出てくるところは、本当におどろおどろしく恐いです。昔話万歳!と思える一冊。小学校の読み聞かせで3年生向けに読みました。みな集中して聞いてくれました。
子どもが恐がるツボは・・・
★★★★★
赤羽 末吉さんの美しい絵で描かれた、若い美しい娘が森の中に一人でたたずんでいる・・・それだけで、うちの腕白小僧は警戒を始めます。
「絶対、この女の人、嘘ついてるよ。」
「きっと、食べられちゃうよ。」
子供ながらに、本当に恐いのはキレイなもの、と感じているのでしょう。
読んであげるのが楽しい一冊です。