お話は、こんな風に始まっていきます。
魔法使いとふたりきりで暮らす美しい娘。彼女は、どうしても自分の本当の
名前を思い出すことができません。いつしか外の世界に憧れるようになった
娘は、自分の本当の名前を知ること、自分の母親と会うこと、このふたつを
求めて、魔法の宮殿から出てみることにしました。
アントニア・バーバーが、ベトナムから迎えた養女のために書いたお話に、
エロール・ル・カインは、なんて見事な絵を描いたことでしょう。万華鏡の
中を覗き込むような、そんな気持ちでエロール・ル・カインの絵を見ていき
ました。
黒髪を長く垂らしたお姫さまは、まるで平安時代の物語の中から抜け出して
きた女性のようです。
艶やかな絵の色彩、見事というしかありません。
紋様が紡ぎ出すエキゾティックな不思議さ、うっとりさせられてしまいます。
エロール・ル・カインの絵をもっと見てみたい気持ちに誘われました。
邦訳されていない絵本からの抜粋を含む画集『イメージの魔術師
エロール・ル・カイン』を、そのうちに見てみたい気持ちでいっぱい。
エロール・ル・カインの絵の魔法に、どうやらすっかり魅惑されてしまった
みたいです。
とびっきり美しい絵が描かれた絵本はないかいなあとお探しの方に、
それではこれをぜひ!とおすすめしたくなった一冊。
『まほうつかいのむすめ』、素晴らしいですよ。