ギリシア神話を素材にした作品です。
人間の娘に嫉妬した美の神ヴィーナスが、息子キューピッドに陥れようとさせるのですが‥。
解説にもありましたが、プシケーは全く学習をしない娘です。最初にキューピッドの言いつけを破り、最後にヴィーナスの約束も破る。彼女の好奇心は誰にでも潜むもの。しかし、あまりにも‥。
今まで紹介したものと違い、本作はカラーではありません。その分、迫力があります。
ちなみに登場人物の名前はローマ神話から取っていますね。ギリシア神話ではキューピッドはエロス、ヴィーナスはアフロディーテ、ジュピターはゼウスなどなど。
人間くさい神々に興味をもたれた方は、是非『ギリシア神話』『ローマ神話』もお読みください。

表紙がプリントされないのが残念でなりません。大人へのプレゼントｏｒ大人のコレクションに適した絵本です。挿絵を描いているエロール・ル・カインは私の大好きな絵描きで「キャベツ姫」などが有名ですが、この本の挿絵はモノクロで、殊更美しいです。物語はギリシャ神話をモチーフにしていて、美しすぎる女に嫉妬した女の復讐劇となっています。が、ドロドロしているわけではなく、美しくて神秘的な話です。

ギリシャ神話に題材を取った物語。　美しすぎてヴィーナスの怒りを買ったプシケー。ヴィーナスはキューピッドに、プシケーを恋の虜にするよう命じます…。　ル・カイン絵本には珍しい、白黒の挿絵です。　しかし、これがまた非常に装飾的で美しい。　お話の内容も合わせて考えると、子供というより大人向けの絵本と言えるでしょうか。

人々は美しい人間の娘プシケーを讃えて、美の女神ヴィーナスを敬うのを忘れました。そのためプシケーはヴィーナスの怒りをかってしまいます。しかしヴィーナスの息子、キューピッドに愛されてしまったプシケーは・・・
ルカインの作品中では珍しい、白黒で描かれた絵本。しかしモノトーンだからこそ出される、女神たちの美しさは何物にも勝ります。