どっちかな
★★★☆☆
美しさと不気味さのはざまにあるような、奇妙な本。
こういうテイストは嫌いではないのだが、好き嫌いは別れそう。
手放しで好きと言えないような何かが…。
出てくる人間が、人間味がないあたりが…ちょっと怖い。
表紙になっている「砂の城」と
「木のブランコ」のページはわりと好きなのだが。
各ページの物語を考えつつ、眺めてお楽しみください。
読むというよりは・・・
★★★★☆
『終わらない夜』と同じ作者たちによる
マグリット風ともエッシャー風とも思える騙し絵の絵本。
シュールレアリスムな、いや
考えようによっては一種の悪夢というべき世界が
ページをめくるたびに妖しく展開している。
訳の問題もあるのかもしれないが
読むというよりは、「視線を泳がせて」
「観て」「感じる」絵本だろう。
21世紀のエッシャーに出会える
★★★★★
ネガとポジの反転、矛盾する遠近法、平面と立体の交錯などなど。
騙し絵の手法を駆使しつつも、リアルな描写によって、ありえない現実へと
導いてくれる絵本「終わらない夜」は今でも強烈な印象が残っている。
その第二弾とくれば、もう迷わず手に取るしかないですね。
騙し絵と聞いて、まずエッシャーを思い浮かべる方も多いと思います。
モノクロを主体としたエッシャーは、パズルのような知的描写が特徴的。
それに対し、色鮮やかなロブ・ゴンサルヴェス場合は、絵の中に
人間が多く登場することもあって感情移入しやすく、物語的と言えるでしょう。
描かれた人間の表情は、何かにとり憑かれたように虚ろだ。
異次元の迷宮を永遠にさまよう彼らの姿は、我々現代人の心の不安を
投影しているかのようでもある。
白昼夢。
★★★★★
『終わらない夜』に続いて、セーラ・L. トムソン とロブ・ゴンザルヴェスのコンビが
あなたを騙し絵の世界へと誘う第二弾。
前作にも増して夢と現実の境界はぼやけ、
曖昧な足場となりながらも見るひとのこころを奪います。
目を開いたまま見られる夢の世界へ、ひと足踏み出せばよいだけです。
空でも海でも湖でも、はたまた本の中へでも。
ひとつだけ難をいえば、ゴンザルヴェスの作品が
前作では最後にまとめてタイトルとともに表示されていたのに、
今回はそれがないこと。
それとも・・・タイトルはわたしたちが想像しましょうか。
"Imagine."
そう、言われているのですから。