初めて聞いたときはアップテンポの1曲目「この愛を」と2曲目「区役所に行こう」、そして12曲目「あたらしい愛の詩」しか印象に残らなかったのですが、聞き込むほどにそれ以外の曲も徐々に心に一定の輪郭を作っていき、忘れられない歌になりました。冷たく澄んだ泉を思わせる鈴木祥子さんの歌声は心にスッと入ってくるので不思議です。
4曲目「いつか逢う日まで」は、別れて女性が、涙を流しながら幸せだった頃にもどりたいと願います。
5曲目「愛は甘くない」では、愛のジレンマを。
7曲目「25歳の女」は、愛に溺れたのかな?
8曲目「破局」で、愛は幻想だと思い。
9曲目「南にドライブして」で、自分から逃げ出そうとします。
10曲目「臨時雇いのフィッツジェラルド」は、…顊£!しいです。
11曲目「帰郷」は、死別した愛する人に、旅行に行く約束をしたでしょ?と問いかけ、夢でかまわないから一緒に居させて、私を抱いていてと願い、いつか壊れるまで一緒に暮らそうと話しかけ、悩むことなどない場所で二人は笑うでしょうと思う女性がいます。曲の中で一番泣かされるのは、愛する人を亡くした女性が、亡くした人を待ちつづけ、時間をめぐり終えたら迎えにきてね、一緒に幸せに暮らそうねと願う場面です。この曲は鈴木祥子さんにしか歌えない名曲でしょう。この曲は、はまると涙が止まりません。
12曲目「あたらしい愛の詩」は、愛する人を失った女性が、これから強く生きるためにいろいろ願います。これも鈴木祥子さんにしか歌えない名曲です。シングルカットされていますが、アルバムに収録されている曲の方が音が綺麗です。
愛する人がいる人もいない人も、全ての人に是非聴いてもらいたい一枚です。