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私小説

価格: ¥3,059
カテゴリ: CD
ブランド: ダブリューイーエー・ジャパン
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生き様 ★★★★★
祥子さんの魅力のひとつは、歌に表れる生き様だと思うけれど、それを意図して(あるいは必然的に)表現したようなアルバム。真摯な言葉は強烈で、何度も強く心を揺さぶられました。今でもその言葉に、自分を振り返ったりします。どっしりした中に華やかさもあり、充実した、名刺代わりのような1枚です。
まさに私小説 ★★★★★
ワーナー移籍第一弾だからかどうかは、よく分からないが、とにかく自分を曝け出したような清々しいアルバム。これまでの多少カラフルな曲やアップテンポな曲を排除し、ひたすらシンプルなサウンドで押しまくっている。ゆったりとしたブルース調の曲がやたらと心に滲みてくる。ガールポップというとりとめのないジャンルとの決別を誓った彼女の強い意思が感じられる。

ベストトラックは、M8"ただの恋だから"。ここでは、スローテンポとはいえ、他曲にあるブルース調の土臭い香りを取り入れず、可憐な恋心を、バート・バカラックを思わせるオーケストレーションを使用し美しいメロディーに乗せて切々と歌っている。
この曲だけ随分と洗練されたイメージを受けるのだが、逆にこれがあることで、アルバムに奥深さが出ている。

それにしても、アルバム全体を貫徹しているけだるさは一体どういうことだろう。こういう諦観とも違う心地よいけだるさを見事に一枚のアルバムにパッケージしてくれたことに感嘆する。その後のアルバムでは、まあ多少、ポジティブというか元気な曲調も戻り、それはそれでもう一歩成熟した素晴らしさなのだが、このアルバムにある一種呪縛的とも取れる統一感は、やはりここにだけある特別な空気だ。そういった意味でも、鈴木祥子という全体像を知るには、少し一定方向に傾きすぎているかもしれないが、作為性のない素のままの鈴木祥子を知るには、もってこいの一枚なのではないだろうか。
力の入った歌詞を、シンプルに表現。 ★★★★☆
 ’98年発表のワーナーミュージック移籍第一弾アルバム。
 前作までの凝りに凝ったサウンドに比べると、今作はシンプルな音作りで、ほとんどがスロー・テンポの曲で占められている。

 そんな作風の中で際立っているのが歌詞の面で、直接的な言葉を使ったダイレクトな表現で、その音作りと相成って、聴き手に率直に訴えかけるようで、ダイナミックさすら感じさせる。
 また、奥田民生が作曲、演奏で参加している⑤⑥がとりわけ印象的で、本作の中でアクセントとなって、存在感を示している。

 彼女の思想が素直な形でまとめられた、情熱に満ちた力作だ。