この号は収録タイトル数は少ないものの、
原画イラストやドット絵が多く掲載され、誌面をにぎやかにしている。
しかし、ゲームシステムなどを紹介する箇所がないので、
作品を知らないと、「何を楽しむゲームか」という部分がわからない。
初心者を読者対象から外した印象を受けてしまった。
なお、以前にはあったヒントのQ&Aコーナーが、
今号ではなくなり、代わりにゲームBGMの楽譜が多く掲載されている。
スクウェア『ブラスティー』の開発手記。
アニメ原画は日本サンライズ社が手がけたことで有名だが、
検討段階で他に、寺沢武一氏、安彦良和氏、
そして、宮崎駿氏の名が挙がっていたのには驚き。
グラフィック圧縮の解説もあり、よく動くゲームだけに技術面の見所もわかる。
一方、システムサコム『メルヘン・ヴェールII』の開発寄稿は素人げで不安。
納期が遅れる理由もわかる。
ソフト開発から引退した同社の原因は、こんなところにあるのかもしれない。
ファンだけに残念。
『ザナドゥ・シナリオII』は、実際にゲームプレイをしながら、
手記のように構成されていて緊張感がある仕上がり。
これは、前回の『ザナドゥ』の原稿で、
ヒントを掲載しすぎたことから、このようなスタイルになった様子。
前回の反省点を活かしているあたりは、さすが読者を大切にする山下氏ならでは。
現在でもPCを中心に活躍されている日本ファルコムをはじめ、
PCゲーム時代でも優秀であったスクウェア、エニックスの姿も再確認できる。
【AVG収録タイトル】太陽の神殿,アルファ,ウイングマン2,カサブランカに愛を
【RPG収録タイトル】ザナドゥ・シナリオII,ロマンシア,メルヘン・ヴェールII,破邪の封印,ブラスティー,ウルティマIII
※文中には当時の社名を使用。