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検証・狭山事件―女子高生誘拐殺人の現場と証言

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 社会評論社
Amazon.co.jpで確認
被害者・中田善枝さんの青春 ★★★★★
狭山事件を「一つの誘拐殺人事件」として捉え、
その事実のみを記し、謎について丹念に検証して
いる。

伊吹氏の前作もそうであったが、この本の最大の
特徴は、従来のように「部落差別」「冤罪」「石川
さん」がテーマではなく、被害者が中心となって
描かれている点だ。被害者の日記、卒業文集など
も掲載されているが、これまでそのような例は
どこにも無かったのではないか。ただ、それだけ
に他の書籍のような切り口を期待すれば、それは
裏切られることにもなるだろう。

石川さん夫妻・死体第一発見者・被害者の担任教
諭・被害者の母や姉の知人・被害者宅近所の商店
主・佐野屋店主・同級生の母等へのインタビュー
記事は、狭山事件フリークにとって必見。
その他、変死者の息子・同級生・事件当日の目撃
者へのインタビュー結果なども掲載されており、
関係者たちの現況を知ることもできる。

「狭山」を“事件”として捉えたものとしては、
一つの到達点であり、最高峰といえるだろう。
冷静だが新鮮味には欠ける ★★★★☆
既に多くの著作や研究が出ている狭山事件で
あるので、ついつい新鮮味を求めてしまう。

巻末の方にある証言インタビューの収録は
新鮮味とはいえようが、やや物足りない感が
あるのはやむを得ない。

石川氏が無実であるのは、解放運動側だけでなく
真摯に事件をフォローすれば出てくる結論なのだが
この書の良さは、冷静に過去に提起された論点を
踏まえつつ、常識に沿った視点で捉え直している
ところである。

警察の徹底した差別的見込み捜査・取り調べにもう少し
肉薄して欲しかったという批評は、ないものねだりに
近いのかもしれないので控えておきたい。

最新情報と過去の蓄積を踏まえて同事件を「復習」するには
よくできた書物だと評価できる。