ヤマトタケルとサホビメの物語
★★★★★
古事記の中巻です。
神武天皇の東遷から応神天皇までの物語が描かれています。
個人的に一番感動したのは垂仁天皇の妃サホビメの物語。
兄と夫の間で苦しみ、夫を裏切った事を悔いて兄と共に滅ぶ女性の物語です。
どうしても妻だけは救いたい夫の天皇と子供と夫の幸せを願いつつ死を選ぶ妻。
「誰がオレの下帯を解くのだ?」(←凄い台詞だ、単刀直入で男らしい)と
男に問われて自分の知っている女性を紹介する女心。
自分一人だけ冥府に下ろうとも、夫と子供は幸せになって欲しい、自分を忘れてでも。
なんと切ない恋物語でしょうか・・・。
およそ2千年も昔の切なくて優しい物語です。
ヤマトタケルのお話もハードです。
神にも近い力を持ったが故に父に疎まれ、各地を転戦し、故郷を夢見て死んでいく青年の物語。
少しわがままで高慢で、でも情熱的でナイーブな青年のお話です。
日本はこんなにも豊かな物語を2千年前からつむいできた国です。
日本に生まれて本当によかったと思います。
是非、初心者の方もサホビメとヤマトタケルの物語は読んでみてください。
こじき
★★★★☆
ヤマトタケルノミコトの伝承や応神天皇、仁徳天皇の活
躍がまとめられているところ。上巻が完全な神話である
のに対して、史実をデフォルメし、神話と事実の架け橋
となっている。神事の原型を感じることができました。
基本的にここまで古い時代などは私の知識に情報がない
ので、なかなか情景を思い描くことが出来ませんが、良
い勉強になります。
古事記中の英雄説話が集まった中巻
★★★★★
この中巻は、神武天皇から応神天皇までを掲載。
神話から歴史への架け橋といった部分で、
神武天皇、倭建命、神功皇后など古事記のうちでも最も華やかな
英雄たちが登場する。、
原文の書き下しに現代語訳、さらに注釈を付け加えた内容のため、
古事記理解の入り口として最適の一冊と言える。
『古事記』 講談社学術文庫版 - 中巻
★★★★★
講談社学術文庫の三巻本『古事記』である原文と全訳注のついた親切な編集で、本格的な古代史研究にも利用できるし、日本神話を語った文学ジャンルとしての古代文学の読み物としてもオススメである。原文をまとまった内容ごとに区切って書き下し文に全訳注を添えるといった構成である。『古事記』は『日本書紀』と比べるとシンプルなので手が出しやすいと思う。古文が苦手の方でもこの学術文庫版なら気楽に「古事記入門」ができる。