歴史人物を知らずとも十分楽しめます!
★★★★★
歴史に名を残した名剣客の決闘シーンを描いた5篇。
歴史人物が大嫌いなそれがしでもこの著者にかかればついついのめり込んでしまう。宮本武蔵以外は初めて聞く名だが、藤沢周平さんの剣描写に有名無名もない、どの剣客も身近に感じてしまうほど、さすがにうまい。
*お薦め度(★★★★★)
題名が題名だけに手に取りにくいが、読み始めたら実在の人物を知らなくとも一気に行きます。心配ご無用
■「ニ天の窟〔宮本武蔵〕」:
そうか、武蔵も歳をとって弱くなっていたのか? 「五輪書」が読みたくなった。
■「死闘(神子典膳)」:
この決闘シーンは壮絶であった。しかし、その後が面白かった。女は強いなー、魔物だなー
■「夜明けの月影(柳生但馬守宗矩)」:
心技体の描写がすごい、息詰まる。藤沢周平さんほんとうに上手いなー、感心しっぱなし。
■「師弟剣(諸岡一羽斎と弟子たち)」:
なんとも師弟の素晴らしさよ、今の世じゃあり得ないな。
■「飛ぶ猿(愛洲移香斎)」:
こういうのが藤沢周平さんの親しまれるところ、いいなー。しかし、侍もここまできっぱりしていると心地よい。