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花のあと (文春文庫)

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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しっとりとした味わい♪ ★★★☆☆
決して美貌とは言えないが、剣にかけてはめっぽう強い以登。そんな以登には、ひそかに心を
寄せる人がいた。だが、その想い人に予期せぬ災難が降りかかる!以登のとった行動は?
表題作「花のあと」を含む8編を収録。

「花のあと」では以登の行動力に驚き、「鬼ごっこ」では吉兵衛のかっこよさに惚れ惚れとし、
「雪間草」では変わらずに相手を慕う女心にホロリとし、「寒い灯」ではおせんの心根にほほえま
しいものを感じ、「疑惑」では女の怖ろしさをまざまざと見せつけられ、「冬の日」では清次郎の
やさしさに感動し、「悪癖」では緊迫感と笑いの絶妙さに感心した。また、「旅の誘い」では安藤
広重を作者独自の視線で描き、異色性を感じた。どの話もしっとりとした味わい深いものばかりで、
楽しめる作品だと思う。
心に沁みます ★★★★☆
きっかけは日曜早朝のラジオ朗読を車で聞いたことでした。ゴルフに出かける朝、車のラジオから流れてくる、表題作の朗読を聞いていたのですが、ゴルフに出かけるときにしか聞けないので、全部を聞くことができず、どんな話だったのだろうと思い、原作を探したのがきっかけです。

これといったスーパーヒーローも出てきませんし、世間を震撼させるような大事件が起こるわけでもありませんが、人情に触れてほっとするような気持ちになります。江戸時代だけでなく、今の世にもこういう人情が存在していると思い・・・・・・たいです。

自らの年齢のせいか、最近こういう話は沁みます。
映画の方が好きかも ★★★★★
藤沢作品が好きです。
花のあと、早速映画を見に行ってきました。
そして改めて原作を……。
今回ばかりは映画のエンディングの方が好きかも(ーー;)
花のあとの主人公って勝ち気すぎて好きになれなかったんですよね〜。
美しい自然描写と人物造型、そして「心」 ★★★★★
「鬼ごっこ」「雪間草」「寒い灯」「疑惑」「旅の誘い」「冬の日」「悪癖」「花のあと」と8編からなる短編集ですが、扱っている物語はいろいろです。

「鬼ごっこ」は引退した盗人、「雪間草」は元藩主の側妾、「寒い灯」は姑から逃げ出した女房おせん、「疑惑」は不倫を目撃され殺人に至るおるい、「旅の誘い」は安藤広重、「冬の日」は幼友達が久方ぶりの再会を果たす清次郎とおいし、「悪癖」は酒癖の悪い勘定方平助、表題作「花のあと」は憧れていた初恋の人の仇打ちをする以登女と、性別も階級も年齢も全く違う脈絡のない主人公たちです。
「解説」にもあるように、武家物あり町人物あり、おまけに安藤広重まで登場します。

テーマだけから見ればあまり共通点らしいものはなく、その文章も個々でそのスタイルを異にしています。
それでいながら、何か読み終わった後にほっとさせるものがあり、深い余韻があります。
その作中における自然描写、人物造型も素晴らしく、どの作品をとってもぐいぐい胸に迫ってきます。
現代とは全く違う江戸の時代を描いていながら、日常の生活に繋がる「心」を呼び覚ましてくれる、そんな秀作ばかりの短編集でした。
ラジオ朗読されました。 ★★★★★
藤沢作品のすばらしいところは人物たちの心象が心に沁みるところだと思います。表題作「花のあと」の以登のただの一度剣を交えた相手江口孫四郎への秘めた気持ち、胸を焦がしている自分がいることに気がつく。ただ一度の手合わせで以登が感じたものは、紛れもなく初めての恋とかなわぬ想い。夫になった、才助も伊戸の想いをわかり彼女を手助けする。凡庸な人物ならけしてそうはすまいと思う。だからこそその心象が沁みるのだ。


2009年4月より東京のニッポン放送で日曜朝6時半より「花のあと」がラジオで朗読放送されています。語りは那須恵理子アナウンサー。解説は児玉清さんです。この放送で本書をしりました。バイオリンの劇伴奏がとても情感深くもりあげてくれます。まるでNHKの「蝉しぐれ」のようです。

そして嬉しいニュースが飛び込んできました。2009年春、桜の開花宣言が出された鶴岡公園周辺で、映画『花のあと』のロケが始まったそうです。監督は新進気鋭の中西健二氏。楽しみです。キャスト発表が楽しみでしたが2010年3月より公開の映画のキャストは以登に北川景子、才助は甲本雅弘が演ずることになった。

短編集なので、どれも読みきりで堪能できます。絵師・広重と出版元・保永堂竹内との折衝から始まる「旅への誘い」。解説の方も触れていますが、なるほど旨くしたもので本編に北斎と広重の画風の
違いを言いえている描写があります。広重という人物像に藤沢周平のスタイルを織り込んでいるようにも思います。広重は俳優、西島秀俊さん。保永堂は石丸 謙二郎さんをイメージしました。「冬の日」、おいしが立ち上がって手早く涙を拭いた。おいしを女優の原佐知絵さんをイメージしながら読んでいました。