母の代から使っています
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佐藤雅子さんの本を母が見ながら夕食を作る姿を見ながら育ちました。中でもビーフストロガノフは絶品だと思います。今でもこの本の通りにビーフストロガノフを作ると母が作ってくれたものと同じ味になり嬉しくなります。母から譲り受けた、我が家にあるこの本は、色あせ、母の手書きのメモが書いてあったりしますが、母が美味しいと思ったものには○、いまひとつ家族の口に合わないと思ったものには×がついていて私にとっては宝物です。ちょっとバターを使いすぎかなと思うメニューもありますが、適度に減らして作っても美味しいです。
品のある料理本、エッセイとしても秀逸
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戦前から、本格的な西洋料理を味わい、主婦となっては、家庭人として…一時代前のタイプかもしれないが…理想的な生涯を送った、生き方名人、料理名人の珠玉の一冊。
一読、圧倒されるのは、正統派で柾目の通った西洋料理の数々、見事なテーブルコーディネート。さらに、スペイン人の修道尼から直伝の料理が多いこと…これだけで料理の雰囲気が変わってくる…そしてスパイス使いの巧みさ、コースの立て方の妙技が印象的だ。
今となっては、少し重めの純欧風料理が多いが、それは時代のしからしめるところ。無国籍料理全盛の今だからこそ、時には、家族の特別な日には、あるいは気の置けないお客様を招いてのホームパーティーには、ここに載っているコースを再現されてはいかがだろう。絶賛を博することは請け合いだ。
そして、数々のレシピの間にさりげなく挟まれているエッセイ風の小文が、また良い。著者の人柄、品のよさが伝わってくる。今で言えば、「セレブ」の見本のような著者だが、その文には少しのスノッブさも感じられない。まさに「文は人なり」である。
正直言って、現代の「日常のレシピ本」ではないが、それを差し引いても、料理好きなら必読の一冊だ。良くぞ復刻してくれたものと、版元と熱心な読者の方々にお礼を申し上げる。
永久保存版の本です
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20年前にもこの本を購入、主婦業がいかに大切な、そして創造的な仕事であるかを教えられてきました。明治大正に上流のハイカラな家庭で育った著者が、嫁して舅・姑に仕えながら心豊かに日々の生活を紡いで行った歴史が書かれており、すぐれた人生の書でもあると思います。もちろん、最高の家庭料理の本で、ずっと愛読してきたために、いくら大事にしていても傷んできました。復刻版が出て本当に嬉しく買い求めた次第です。
家族への愛情に満ちた料理の数々よ!
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今は亡き母が「わたしの保存食ノート」を持っていて、あちらこちらにシミがついていたりメモがはさんであったりしていたのを、いつの間にか私も愛読するようになり、なにかと活用したり読み物として楽しんだりしているので、もう一冊の「わたしの洋風料理ノート」が復刻されたことはとても嬉しい。それにしてもどの料理も普通に手に入る材料ばかりで作られているにもかかわらず、何と丁寧に手をかけていることか!どれもこれも家人においしいものを食べてもらいたいという気持ちのこもったものばかりである。脱帽!主婦のあるべき姿の基本のようなものをしみじみ感じる。○○の素やいろいろな調理用品溢れんばかりの我が家の台所で日々作る料理を恥じるばかりである。「きちんと作る」ことの原点にもう一度戻っておいしいものを作ってみようと襟を正したくなる一冊。娘もまたいつの日か私の本棚からこの本を受け継いでくれますように。