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フォルクスワーゲン イルティス クロスカントリービークル

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: 石川雄一
Amazon.co.jpで確認
第二次大戦後のドイツ国防軍が始めて採用したドイツ設計の小型四駆アウトウニオン・ムンガのフォルクスワーゲン版として開発されたのがこのイルティスです。ムンガの欠点を補うと共に厳しくなった排気ガス規制や衝突安全性規制に対処している。主に著者が輸入した1979年製の軍用モデルを整備したり試乗した経験から書いている。そしてほぼ同時期に輸入された車体についても試乗し撮影を行っている。そして珍しいディーゼル・モデルは香港のユーザーが所有しているものを現地にて撮影させてもらった。タイプ183というフォルクスワーゲンの正式なモデルであるのに日本では認知度が低い。グループ内のアウディーが1980年にクワトロというフルタイム四駆の乗用車を出した時のことを書いた文章に「それまで作っていた四駆」として登場するくらいだった。構造をみればわかることだが全く関連はない。そもそもイルティスはVWのオリジナルでもないし。そして良くも悪しくもドイツ的だったムンガ・イルティスの後継車としてドイツ軍に選ばれたのはメルセデスの依頼でオーストリアのスタイアが開発し製造も担当しているゲレンデワーゲンである。スタイルこそドイツっぽいが構造はランドローヴァーの後追いにも見えてドイツらしさが希釈されている。
本書の本文はCCV-25に掲載されたものとCCV-65に掲載したものと模型専門誌アーマーモデリングに掲載したものです。紙の本をお持ちの場合には内容の一部が重複します。メカニズムについて豊富な図版と共に説明しましたが、今回の電子化に伴い追加した情報も含まれています。フレームとサスペンションの構成部品の多くはムンガと共通だと思います。しかし、それ以外は全く別物です。文字数は主要諸元表も含めて約15,600文字、写真は試乗時の写真や構造を説明する図版を含めて61点です。
 
CCV(クロスカントリービークル)関連の電子書籍は主にメカニズムがユニークなオフロード四駆について解説した資料性のある本と車全般についてのエッセイに類する本です。いずれもベースとなっているのは1990年から2008年にかけて出版された四輪駆動専門季刊誌CCVです。四駆の愛好家と言っても様々ですが私が興味があるのは機能を重視している反面装飾性の少ない四駆です。よって、あまり車の構造やオフロード走行に関心が無い方には偏った内容で面白くないかも知れません。amazon.co.jpで「石川雄一」を検索し著者ページをご覧になってください。あるいはWikipediaにも「CCV」という項目がありますので検索してみてください。 CCVは1冊1800~2000円という価格でしたが自動車専門誌としては異例にも広告掲載料に依存しない内容でした。ですから内容は正確であり実際にオフロードで走らせての内容でしたので読者さんには支持されました。筆者は文科系の人間ではなく機械好き・オフロード好きから間違って出版・執筆を始めてしまい、それを30年以上やって来ました。内容は正確だと自負していますが美文を書くのは極めて不得意です。また自分の考えを通すために商売としての出版は下手でしたのでアチコチに気を遣った内容にはなっていません。本来正しい事を伝えるべき出版が拝金主義やビジュアル優先で歪んでしまうのは根本的に間違いだと思っています。
 電子化では本の体裁もいろいろと試しましたが電子書籍では読者さんが読むのに使う機材がスマートフォンからタブレットPCと様々なので凝ったレイアウトをやっても無駄だと判断して文章と画像を並べただけのプレーンなものにしました。表紙も店頭で目立たせる必要も無いのでこれでいいと思います。文字や写真も拡大・縮小が可能なフォーマットにはしてあります。
 CCVのバックナンバーは弊社で在庫して通信販売を行っています。しかしCCV15以前は絶版ですし残っている号も少なくなっています。 弊社の在庫に対してのお問い合わせの多くは特定の四駆にご興味があって、その記事を求められる方です。専門誌1冊丸々が欲しいのではなく1件の記事だけの需要です。しかし、その記事だけをコピーして郵送することは版元であった大日本絵画さんの著作権の侵害になります。そこで記事を電子化しながら再編集してご提供させていただこうと思いました。過去の記事がベースのものは文章を現時点に合うように最小限の書き換えも行っています。写真もオリジナルがフィルムであったものをデジタル化したものもありますがCCVの記事ではモノクロだったものがカラーになっているものもあります。
ということで私たちのように狭小な分野の情報を頒布させていただくには電子化しか方法はありません。このことから価格は低めに設定しています。ご興味を持たれた方はどうぞお読みください。また紹介する四駆の中には古いもの、軍用などで一般的ではないものもあり日本ではあまり知られていないものもあります。そのような紙の出版では扱われる可能性の低い車両についての情報を廉価かつ継続的に提供するのはこの分野の車両の産業機械としての文化を将来に向けて継承させるために意義あることではないかと思っています。