上巻同様、人間乱歩を知る。
★★★★★
上巻同様、とにかく面白い。
下巻は、戦中戦後が中心です。
戦争中の主な話題
○探偵小説(特に乱歩のような猟奇的なもの)は出版できず、出版できるものも厳しい検閲がつけられたこと。
○しかし、かの井上成美(当時、兵学校校長)の「探偵小説は知力を鍛えるのに良い」ということばもあり、親しくなった海軍士官からも探偵小説肯定論を聞いたこと。
○粗食と禁煙のためかえってこの時期は健康だったこと。
○数少ない昼間の男手として、町会で大活躍だったこと。
戦後の主な話題。
○探偵小説の復興、普及への寄与。(探偵作家クラブ賞、江戸川乱歩賞など)
○創作よりも、評論、研究の方が断然多くなったということ。
下巻には索引がついており便利です。