乱歩評論
★★★★★
江戸川乱歩がその探偵小説に対する思いを
綿々とつづった評論・エッセイ集。
乱歩の探偵小説に対する造詣の深さと
それにかける情熱が切々と伝わってきます。
これを読めば探偵小説の何たるかを一望できる作品といえましょう。
人間乱歩を知る
★★★★★
とにかく面白い。
江戸川乱歩の足跡が淡々と綴られています。
意外にも、小説家としての自信が持てなかった乱歩、芥川龍之介や谷崎潤一郎、佐藤春夫なども何篇か書いており、かなり広いものであった「探偵小説」という概念、当時の作家たちとの交流、乱歩の休筆癖、放浪癖、などなど。
人間としての乱歩を深く知ることができます。
探偵小説への情熱
★★★★★
乱歩の探偵小説への関わりを幼年期から書き纏めた一つの半生記
である。日本においてミステリ(探偵小説)がどのように受容され
発展したか。歴史も学びながら、乱歩の探偵小説への情熱が伝わって
くる。
過去の全集にも含まれているものだが、写真を省略していないこと、
乱歩の記述と事実との齟齬の明記などもあって資料としても充実
している。これをもって2年にわたる乱歩全集は完結する(下巻が
2月刊行)。今後これを上回る乱歩全集はもう出ないかもしれない。