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東京タワー (新潮文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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江國香織が書く必要も無く、小説である必要も無い作品 ★★☆☆☆
個人的に江國香織の良さは、登場人物の優しさ、温かさや、やわらかな文体によって心地よい小説世界が創られている、「良い意味でのリアリティのなさ」にあると思っています。

この作品ではうまい具合にフィクションへと浮遊し始めるタイミングが見つからなかったようで、毒にも薬にもならないリアルさに終始してしまっています。
そこらに転がっている面白くもない恋愛を描いた、凡百の恋愛小説と同等の作品という印象を受けました。

江國香織自体は好きなだけに、残念。ぜひ他の作品をどうぞ。
ゆっくりとした展開で進む若い男性と既婚女性の恋愛 ★★★☆☆
大学生の男性・透と、既婚女性でどことなく達観している感のある詩史。
大学生のやんちゃな男性・耕二と既婚女性で熱情家の喜美子。
この2組の関係が中心になり、その周りに取り巻く登場人物に彩られて
物語は、ゆっくりと展開していく。
全体的には、特に大きな結末が待っているわけではなく、登場人物の
生き方や考え方が丁寧に描かれている。

著者の本書における特徴であろうが、一節の中でも場面場面があっと
いう間に切り替わって、しかし、全体の展開としてはかなりゆっくりと
進んでいくものだから、やや間延びをした印象を個人的には受けた。
また、その技法のために、登場人物のいずれかに深く感情移入できな
かったのも残念だった。

また、例えば「いつも一緒にいられる。海外に買いつけにいくときも、
二人で行かれる」(p. 248)の「行かれる」に見られる表現のように、
おそらくは「ら抜き表現」に気をつけられたのだろうと推察されるが、
その表現が文法的に間違っている(これは「行ける」でいいので、過剰
修正している)し、さらに上記のように、私個人の語感からすると、
自然な日本語とは呼べない表現も目に付いたのも、気になってしまった。
不安定な恋を軽いタッチで描いた作品 ★★★★☆
不倫。そして年の差。
妙齢の女と大学生の男が恋をする事の現実が、
軽いタッチで見事に描かれている。
老いていく女と、猛々しさを増していくであろう男との恋は、女には切なく不安定であろう。
そして、夫を持つ女と恋をする男も、また同様に不安定である。
どちら側から見ても不安定な恋愛を通して、
恋とは生まれてしまうものだという、不可抗力が伝わってくる。
個人的にはこの小説の
未来を描かないラストが好きだ。不倫の恋とは、始まった瞬間に終わりが透ける恋である。
しかし、針の穴ほどの確率に挑むラストシーンに、恋は不確実であるという事実が要約されているように思う。不確実であるが故に酔うのだと。
読む価値なし ★☆☆☆☆
人妻と青年の恋愛を描いていました。とてもつまんなかった。映画化されたから話題なんだろうけど、絶対お勧めしない本です。最初から最後まで同じトーンです。映画化された意味も不明。
東京の普通の恋愛のひとつ ★★☆☆☆
東京の恋愛に限ったことではないが、
恋愛とは、対象となる他者がいて、それを追い求めるものかもしれない。

他者というのは自分の範疇外の存在で、
何時までも決して捉えることの出来ない存在。故に追い求めてしまう。

本書の主人公である2人の少年も、そのうねりに巻き込まれてしまう。

彼らの恋愛対象となる2人の女性は、既婚者であり、大人でもある。
この設定のため、主人公にとっての彼女らは、
徹底的に他者であり、永遠に捉えることの出来ない存在であり続ける。

恋愛の狂おしい想いにより、
主人公の一人、透はどこか陶酔的な精神依存関係を生み、
もう一人、耕二は直接的な肉体依存関係を生んでいく。

そして少年との恋愛に溺れてしまう、より冒険者である女性らは、
少年らに対して、素直であろうとするが、
どうしても夫婦生活とのダブルスタンダードをかかえ、
自身の抱える矛盾を大きくしていく。


物語後の彼ら彼女らは、何も生み出さず別れてしまうかもしれないが、
この空虚さが、リアルな東京の恋愛のひとつのカタチなのかもしれない。

評価としては、のめり込めなかったので星2つ。
甘く、高級なウィスキーのような、人を選ぶ小説。