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子どもへの性的虐待 (岩波新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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良書だが6ページ目の定義は疑問あり ★★★★☆
問題を考える上で、手軽に手に入る良書といえる。
何より、日本の現在の状況が読めるということが素晴らしい。

ただ、p6「子どもの虐待とは〜」とはじまる、児童性的虐待の定義に疑問項がある。(08/10/21初版の時点)

(11行目)子どもをポルノグラフィ(映像、絵)の被写体にする、〜
とあるが、問題にくわしいかたならご存じの通り、現時点では「絵」が子どもの虐待なのかについては激しく争われている真っ最中だ。

児童性虐待の定義は国によって細部にちがいがあり、日本では現在、「絵」に違法性は認められていない。
"海外"では「絵」に違法の判決が出た例もあるが、今度はp6の第一の定義「一八歳未満の子どもにたいする」という記述に疑問が出る。18歳とするのは"日本独自の状況"である。

曖昧なこのp6の「定義」自体が、どのような背景を持った定義であるか、本書では明確にされていない。にもかかわらず自明のものであるかのごとく扱われている。
著者である森田ゆり氏の私見なら、直前に法律条文の引用があり非常にまぎらわしいため、但し書きするべきではないだろうか。

全体的に良書だが、入門書として読む場合は、p6の定義論については、現在の状況がどうなっているかを読者自身で調べてもらいたい。
「性的虐待の基本知識」と名付けた1章目の前提として読まれるべき箇所に、こうした政治的な記述のしかたはさすがに如何なものだろうと疑問に思い、星4つとした。
「聴く」こと、そして「イヤ」ということ ★★★★★
仕事がら、子どもへの性的虐待が数多く行われているのではないかというポテンシャルについて
警鐘を鳴らす声を聞くことが、もう5年以上前から多くあった。

森田さんの紹介する欧米の信頼できて、先駆的な調査では
「3〜4人にひとりの女子、6人にひとりの男子が性的虐待を受けている」そうだ。

被害によって引き起こされるその子の人生への影響の大きさを本当に、体のアチコチが痛みを伴い、震えを伴うほど、
憤りと、混乱と、腹立ちとに、身が壊れそうになる。

私たちにもできることがある、と森田さんは教えてくれる。
「腹立ちも、悔しさも、怖さも、最後までその気持ちに共感しつつ聴いてもらうだけで、
驚くほど収まっていく。・・・誰でもが性的被害を受けた子どもに出会った一人の隣人として、
立ち止まり、そって手を当ててあげることができるのではないだろうか。
「聴く」ことはあなたが子どもとその家族にあげることのできる最大の贈り物である。」と。

そして、もう一つ大事なことを教えてくれる。
「子どもが「いやだ」と言う、その場から立ち去るなど、子どもの小さな抵抗も、性的虐待の場合は、加害者の行動を止める効果を発揮しうる」そうだ

どのようなときにも効く処方箋。
「聴く」こと。そして、「イヤ」と言うこと。
児童への性的虐待 ★★★★☆
児童への性的虐待は、近年に注目を浴びただけで、古い時代から続いていました。
この問題に注目して、何冊かの本を読んでいますが
ほとんどの場合は、父親から娘、あるいは義父から娘への虐待です。
こうした被害が子供たちの成長に著しい問題となる事実を考えるべきでしょう。

私が読んだ本の多くが、専門書なので、一冊五千円を超えるような額の本ですが
この「子どもへの性的虐待」は、安価で購入でき
この問題を考えるには充分な知識が得られると思います
こうした問題に興味がある方は是非、読んでください
悲惨な現実 ★★★★★
軽い気持ちで手にとったのですが、読んでびっくりしました。
性的虐待を受けている子供の数が予想外に多いこと、女子ばかりではなく男子への被害が多いこと、被害者の精神的な傷が予想外に深いこと、など、悲惨な現実の例が多々あげられています。
特に、被害者の心の傷といったら、もう、心が血まみれになっている、としか言いようがない状態です。

初めの方で、著者は「ペドファイル」を「小児性愛」と訳すことに憤っています。
愛ではなく暴力なのだと。
長年の活動から裏打ちされた義憤が言わせるのでしょう。

同じく著者が憤っている「子供へのいたずら」というレベルで、私も納得していたくちです。
この本を読んで、考えを改めねば、と思いました。
物書きとしての謙虚さが欲しかった。 ★★★☆☆
 発見困難,解決困難な問題を正面から採り上げた一
冊。性的虐待の実態を明らかにしたうえ,その原因と
解決策を提示してくれています。
 なかなか接することの難しい分野だけに,新書とし
て出版した意味は決して小さくないように思います。

 ただ,少し残念なのは,所々に感情的に過ぎる言葉
が遣われているのが目に付くところ。とかくタブー視
されがちな問題であるからこそ,事実を淡々と書いて
欲しかったというのが読後の率直な感想です。

 次回作に期待。