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「夜のオンナ」の経済白書 ――世界同時不況と「夜のビジネス」 (角川oneテーマ21)

価格: ¥740
カテゴリ: 新書
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
Amazon.co.jpで確認
セックス税を議論する際に私が忘れたくはないこと ★★★☆☆


 表題からは淫靡な香りが漂ってきますが、書かれている内容はいたってまじめでした。
 性風俗産業の現状を、昨今のグローバリズム、経済不況、新型インフルエンザ、そして戦争などの要因との関係からみつめた書です。
 日本だけではなく、アメリカやEUの先進国から、タイやカンボジアといったアジア諸国、さらには東欧諸国やキプロスなど幅広い国々の性産業の実情が紹介されています。
 
 最終章で著者が唱えるセックス税構想については危うさを覚えます。
 著者はまず性産業を合法化すれば従事者である女性たちの労働環境が改善されるし、健診を義務付ければ性感染症予防にもなるとし、その上で売買春に税をかければ日本では94億円も税収が増えると試算するのです。
 しかし、私は性産業を合法化した時の人身売買の拡大がやはり心配です。
 性欲はなくならないのだからそれと折り合いをつけるためにも性産業を合法化し課税対象とすべきだというのは一見“現実的”に見えるかもしれませんが、私たちは今後どういう社会を目指していくべきなのかということを考えたときに、性産業を合法化した社会が果たして私たちの目指すべき目標なのかについての十分な議論が必要です。

 未曾有の経済危機に直面して、痛みの少なそうな増税論は魅惑的に映るかもしれません。 しかし税金というのは国家や社会のありようを方針づける役割も担っています。ですからセックス税によって形造られる<性産業を合法化した国家>に自分の子供や孫たちが暮らす時代がやがて来ることを心の底から喜ぶべきなのかどうかを考える必要があります。
 そう考えた場合私は、セックス税導入論議を恥ずかしいことだと思うだけの心は人として最低限持ち合わせておきたいと思うのです。
偏見や綺麗事ではなく、現にある生の問題を検討した本 ★★★★★
 著者によれば、夜のビジネスで動くお金は世界で年間55兆円にも上るという。著者はこのカネの流れを丹念に追跡していくが、そこには人間社会に必然的に生じる闇の世界であったり、人間自身の中に存する心の闇が現れる。この本は、人がタブー視して目をそらしがちな問題に光を当て、他の一般的な問題と同様の冷静な視点で検討し、解決策を検討するところが良い。

 本書が提起する問題は非常に深刻だ。発展途上国における貧困、男性優位社会、人身売買、児童買春、HIVの感染率の上昇。貧困が全ての問題の源にあるが、それ以外の問題とも複雑に絡み合って解決を困難にしている。人の苦境に付け入るマフィアなどが問題悪化の一役を担っているし、売春婦の社会的地位が低く公的機関の救済を受けることが難しいという制度的な問題もある。

 著者は、これらの検討を踏まえた上で、日本においてセックス税を導入することを提案する。これは、タバコ税や酒税などと同じく、嗜好品に対して課税するという発想に基づく。課税対象となるのは、道徳的・社会的観点から望ましいとはいえないセックスであり、夫婦や恋人同士のセックスは課税対象とはならない。

 著者の試算によれば、日本でセックス税を導入すると4億円の税収増になるそうだが、セックス税の狙いはそれだけではない。売春を合法化することによって、そこで働く女性の権利を保護すること、処遇を改善することも含まれる。国が売春宿の管理に関与することで、そこで働く女性の健康状態を安全に保つほか、人身売買の被害者が意思に反して売春させられることがないようにする。著者は、人身売買の被害者に売春させる行為、買春する行為に罰則を設けることも提案する。

 売春は世界最古の職業などとも言われ、古くから存在してきた。いくら綺麗事を言ってもこのビジネスをなくすことはできない。著者の提案は現実的な解決策として一つの卓見だと思った。
へーーこんな国も ★★★★☆


 日本も昔は売春が合法で行われていました。しかし昭和33年に法律で売春が禁止されています。
 しかし、繁華街に行くとソープと称して売春が行われています。
 合法がいいのか、あいまいなままの方がいいのか。
 東南アジアに行って「カラオケに行って来たよ」と話と誰もが女性と遊んで来たと思う国ニッポン。
 日本でも思い切って売春を合法にして、税金をかけるべきという著者の理論は、私は賛成出来ます。
 ホンネと建前の国ニッポンもそろそろ目をさました方がいいかもしれません。
世界各国の夜にビジネスの実情が分かりやすく説明されていた ★★★★★
ベトナム、タイ、フィリピンなどの開発途上国では外貨獲得の手段として夜のビジネスが行われているということは認識していたが、アメリカやヨーロッパなどの先進国においても夜のビジネスがあり、国によっては売春を合法としているという話は興味深かった。合法とすることにより働く女性の権利を守ったり税収を確保したりできる一方、人身売買のビジネスが横行するという弊害があるという説明はもっともだと思った。
また、著者が提案している、対価を払って商業ベースで行うセックスに対してセックス税を徴収するという考え方は賛同できる部分が多かった。夜のビジネスを合法とすることが前提となるため、現実的には難しいのではないかと思ったが、ドイツの一部の市ですでにセックス税が導入されていたり、アメリカのテキサス州でストリップ税が徴収されているという話もあるので、全くの絵空事ではないことも十分に理解できた。
夜のビジネスと景気の関係 ★★★★★
夜のビジネスは不景気に強いと思っていた。この本の解説によると、基本、夜のビジネスは景気の影響を受けないが今回は大きな不景気なので影響が出たということらしい。でもほかの業界と比べるとまだいいほうらしい。夜のビジネスにお金が流れたほうが景気は早く回復すると思う