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勇気凛凛ルリの色 四十肩と恋愛 (講談社文庫)

価格: ¥560
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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「蒼穹の昴」を発刊した頃の浅田次郎です。 ★★★★☆
週間現代に連載していたエッセイの単行本化第2段。
時期でいうと,「蒼穹の昴」を発刊した年に当たり,
そのころの浅田次郎氏の日常生活等が綴られています。
このシリーズの次作では,豪邸に転居してますから,
なんか浅田さんの人生を追っているようなおもしろさもあります。
こちらは,次作に比べるとバカ話の突き抜け加減が今一歩に感じましたが,
面白かったり,しんみりしたり,マジメになったりと,
多岐にわたっているのは,同じ。
若い頃に事故で失った先輩の話,「恩人について」と,
猫に対する細やかな愛情を淡々と語る「失踪について」は
浅田さんらしいヒューマニティにあふれていてよかったと思いました。

真人間・浅田次郎の真髄がわかる! ★★★★★
浅田次郎氏の本は、「鉄道員/ラブレター」、「蒼穹の昴」、「日輪の遺産」、「椿山課長の7日間」しか読んだことがない。稀代のストーリーテラーだと思う。「鉄道員/ラブレター」を読んだときには、電車の中だったにも関わらず滂沱の涙を禁じ得なかった。浅田次郎氏が沢山の苦労をされて、それでも一所懸命生きてこられたからこそ人間のささやかな喜びや仕合わせ、深い悲しみや絶望を知っていて、それを抑制の利いた筆致で描かれるので涙腺を刺激するのだと思う。

この本で感動したところ:
絶望して、あるいはリストラされてホームレスになった人たちへの言葉;
「人は、もはやこれまでと思えば石に蹴つまずいても死ぬ。自分の力で踏みこたえていなければ、どこまででも堕ちて行く。死なぬように堕ちぬように懸命の努力をすることこそ、人の人たる所以なのである。他人の力のみで開ける人生など、何ひとつないのである。
どうか一年前、無理無体に家族を奪われ、家を焼かれた神戸の人たちのことを思い返して欲しい。
人間は健康でさえあれば、いついかなる環境からでも、必ず立ち上がることができる。いかに公平さを欠いた世の中であろうと、少くとも神は、人間にそれだけの勇気と力とを、等しく与えているはずなのである。」
今、未曾有の経済危機でリストラされる人がたくさん出るであろうこの時代にこそ、広く読んで欲しい言葉だ。(もちろん僕自身リストラ候補の例外ではないであろうから、高踏的にもの申している訳ではありません)

「冬の夜の家出は、生の選択であった。あの晩、私は着のみ着のままで死から脱出した。ボストンバッグの中には、預金通帳と辞書だけが入っていた。なぜ辞書であったのかはわからないが、ともかく広辞苑と漢和辞典と、研究社の英和辞典を持った。教科書も着替えももたずに辞書類だけを詰めこんだというのは今さら説明のつけようもないが、だぶんそれらが私のアイデンティティーであったのだろうと思う。
あえて具体的な理由をつけるとするなら、それらは別れた母が買い揃えてくれたものであった。中学に合格したとき、おまえには塾にも行かせず家庭教師もつけなかったのだからこのぐらいはしてやるよと、乏しい財布をはたいて買ってくれたのだった。ホステスをしながら私を育ててくれた母は、結局経済的な事由で私を手放したのだが、そのとたんにこんなことになってしまったという苛責の念が、家出に際してパンツよりも辞書を選ばせたのであろうか。
とんだ浪花節になってしまった。どうかすべてはナーバスな作家の鬱状態におけるたわごとだと、お許し願いたい。
ボロボロの広辞苑を枕にして、これより眠る。おかあさん、おやすみなさい。」

これが涙なくして読めようか。お母さんの心を痛いほどわかるし、それをわかりながら家出する浅田氏の心もわかる。そこには人間と人間との心の営みがある。
浅田さんの堅い作品しか読んでいない人に是非。 ★★★★★
堅い作品しか読んでいない方からすると、下品でしょうね(笑 

でも人間臭さが出ていて、、最高です。

笑えるエッセイも結構あって、辛い時に読み返しては笑っています。

私はお笑いの浅田さんの方が好きですね。

涙と笑いのエッセイ。 ★★★★★
本人は、毒舌、下品と称しているが決してそうは思えない、心温まるエピソードが随所に散りばめられたエッセイ。第1巻に続いて元自衛隊の面目躍如というべき沖縄問題について書かれた文章が印象的です。読み進めるに従い、著者の人となりにも慣れ親しみ旧知の間柄のような気持ちになります。1巻目のエッセイの続編、続々編のようなエッセイも登場します。2巻目も本当に面白いです。週刊現代に連載シリーズです。その手の週刊誌を読まれるような層の方に特にお勧めです。
著者の本音が聞けるエッセイ集です ★★★★★
週刊現代に連載されたエッセイをまとめた4冊からなるシリーズの2作目で、

時期的には吉川英治文学賞受賞後で、直木賞受賞前に当たります。私は著者の小説ももちろん好きなのですが、本のオビに「喜怒哀楽を包み隠さず吐き出した痛快エッセイ」とあるように、シャイな著者の本音が聞けることからエッセイはもっと好きです。大笑いしてしまうものから、ほろっとしてしまうもの、考えさせられるもの、そして著者とともに怒ってしまうもの(当作での最たるものは沖縄基地問題です)まで、色々なものが一杯つまっています。
著者の小説は読んだことがあるけれど、エッセイはまだ読んでいない方に是非お奨めしたい本です。