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ギュスターヴ・モロー―絵の具で描かれたデカダン文学 (六耀社アートビュウシリーズ)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 単行本
ブランド: 六耀社
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なぜかモローの絵に魅かれてしまう人へ。積年の疑問が氷解します。 ★★★★★
 ギュスターヴ・モローは、何とも不思議な画家だと思います。
 初めて絵を見たのは、十数年ほど前でまだ二十歳だった時、東京八重洲のブリジストン美術館に常設展示されている「化粧」でした。白状しますと、その時は、ルノアールやモネやセザンヌやマチスの絵を見に行ったのですが、モローの絵の、妖しく退廃的な美に悩殺されてしまったのです。
 モローは、美術史では殆ど取り上げられず、せいぜい、マチスやルオーの師として言及される程度です。もちろん、十数年前の小生も全く知りませんでした。それにしても、マチスやルオーの師とされながら、画風が全く違うのは何故でしょう? 妖しく退廃的な美といえば、クリムトの絵のほうが類似しているのに。(でも、様式的なクリムトとも違っている。モローと同じ画風の画家が見当たらないんである。)
 その後、数年の時を経るうち、ひょんなことから、小生は、モローのアトリエを美術館にしたモロー美術館がパリにあることを知り、行ってしまいました。
 それにしても、モローの絵の魅力の秘密とは何なのだろう? 浅学非才の小生は、ただただ疑問を抱える続けることしかできませんでしたが、鹿島先生が本書で解説してくれたおかげで、積年の疑問が晴れました。小生と同じく、モローの絵になぜか魅かれてしまう方には、お勧めの本です。

そういえば・・・蛇足になりますが
モローの絵は、天野喜孝画伯と雰囲気が似ていると思うのは小生だけでしょうか? 天野画伯が、モチーフを神話や文学から採れば、もしかしたら。。。

写真が綺麗です ★★★★☆
モローのミニ画集という感じ。写真印刷の色が綺麗に出ていたので購入した。解説文自体はモロー芸術の概要が分かるという程度で特筆すべきものでもないが、絵を眺めているだけでも買った価値はあったと思う。新潮美術文庫の「モロー」よりは量・画質とも良いと思う。
世紀末に咲いた美しい悪の華 ★★★★☆
近代絵画史上では、殆ど浮かび上がって来ないモローだが、之ほど美しく咲き誇った華は、外にあろうか。文学では、ボードレール、ランボー、ヴェルエール等の時代である。その時代に何が彼等をそうさせたのか?平和なそして、微温湯の中での現代。何が出来るであろうか?素晴らしい、安い画集である。