巻7(ポリュムニアの巻)において、ペルシアの大軍を前にしてイオニアのギリシア人はすべてペルシア側に服属してしまい、ギリシア本土のギリシア人の中からも服属者が出る始末となってしまいますが、アテナイとスパルタはこれまでの因縁でペルシアと戦わざるを得ず、しかしテルモピュライで敵を迎え撃ったスパルタ軍は無残にも全滅の憂き目に遭ってしまいます。
巻8(ウラニアの巻)において、アテナイはペルシアとの陸戦は無理であるとしてサラミス島に避難、結果アテナイ市はペルシア軍に蹂躙されてしまいますが、海戦に勝利して形勢を逆転させてしまいます。
巻9(カリオペの巻)において、このサラミス海戦に勝利した勢いに乗ったアテナイ・スパルタ連合軍は、続く陸戦にも勝利し、このペルシア戦争における勝利を決定的なものとします。
───以上が、ペルシア戦争周辺をつづったヘロドトス『歴史』のあらすじです。少しでもこの話の面白さが分かっていただけたでしょうか?実際、話に出てくる人物はどれも実在する人物で、サラミス海戦を勝利に導いた知将テミストクレスや敵将マルドニオス、ハリカルナッソスの女傑アルテミシアの活躍などは大変魅力あるものであり、それだけで苦労して読む価値があるといえるものです。 よくある話の脱線は著者のヘロドトスも認めるところなのですが、それが"一粒で二度おいしい"ヘロドトスの『歴史』の良いところでもあるので、話の長さにめげずにぜひ読んでみてください。