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アナバシス―敵中横断6000キロ (岩波文庫)

価格: ¥1,050
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
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紀元前の従軍ルポ。 ★★★★☆
タイトル通り、紀元前5世紀のアテナイ人による「敵中横断6000キロ」ルポ。

舞台は紀元前401年小アジア〜ギリシア北部。
語り手クセノポンはアテナイ人(おそらく二十代)。
 当時のアテナイはすでに大アテナイならず。三年前にペロポネソス戦争終結、海洋帝国の勇名もむなしく陸の覇者スパルタに海でさえぼろ負けした直後。
 大筋としては、敗戦国の名門の若者クセノポンがなぜか国外でギリシア人傭兵部隊に。東の超大国ペルシア王家の内紛に(本っ当に単なる)雇の兵として加わるも雇い主の王子が敗死。取り残された6000名、まともに支払いも受けられないまま陸路で故郷を目指す……といったところでしょうか。 生のままでも十分物語的な史料。(証拠なしの邪推ながら、著者自身が少々ドラマティックに脚色を施している気も)。古代ギリシアに興味があれば大変楽しめます。訳注&解説も充実。

 蛇足ながら、語り手クセノポンはその後スパルタに身を寄せ『ギリシア史』その他を執筆。このお人の特徴はともかくスパルタ贔屓。ほとんど恋のように惚れている。古代版『敗北を抱きしめて』といったところか? 『アナバシス』中では雇い主の王子の魅力についても饒舌に語っている。 
古典の重要性を再確認 ★★★★★
リデルハートの新版 世界史の名将たちで、
グスタフ・アドルフとウォルフ将軍の愛読書として
紹介されているのに興味を持って購入。

2000年以上まえの出来事にも関わらず、
人間心理・組織論などの普遍的な問題は
今も昔も変わらないんだとしみじみ思わされた。

キュロスの人心掌握術や
敵地の真っただ中にいた時には一致団結していた部隊が、
生還の見込が出てきた途端に
それぞれの欲求を主張し始め組織がガタつくシーンは
現代の組織運営にも十分参考になる。

個人的に驚きだったのは、夜間における
「足の最も遅い重装歩兵を先頭にして、
そのペースに全体が合わせることで部隊がバラバラになるのを防ぐ」
ギリシャ流の行軍方法が現代の生産管理などに使われている
ボトルネックの考え方に非常に近かった点。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何かが書かれるはるか昔に、
組織的に運用されていたコンセプトが2000年以上後に大流行するとを見て
当時のギリシャ人はどう思うのだろうか。

知識を活用する難しさについても、改めて考えさせられた。

作品単体としてもかなりためにはなるが、
古典を当たってみる重要さを教えてもらったのが
最大の収穫だと思う。
アレクサンダー大王も愛読した本 ★★★★★
いえ、アレクサンダー大王の愛読書は実際は『イリアス』なんですが、ペルシア遠征に参考にしたのは確実と言われる本。昔々に読んだものを最近パラパラ読み返していたら改めてなかなか面白いと実感しました。2400年前の落ち武者記録が読めるということ自体がスゴイです。ソクラテスの時代の記録ですよ。ガリア戦記よりずーっと古いんですからね。
人によっては詳細過ぎてダレる部分もあると思いますが、家人は地図片手に読み進んだら楽しくて仕方がなかったそうです。「え?昔はこんなところにこんな動物(ライオンとか)がいたの!?」とか「この地域はこんなに緑なしていたの!?」とかとかエコシステム系の見方をしてもなかなか楽しいです。有名な「海だ、海だ(タラッタ、タラッタ)!」の場面に辿り着くと、2400年の時を越えてこちらも「良かったなぁ」と感動します。
他のレビュアーの方のご指摘通り、クセノフォンの自己美化が素晴らしいというかよくやるよというか。要所要所で名演説をぶつ自分の姿を念入りに描写するあたりなど、「それホントか〜?」というか。しかし最も胸に響くのは、古代の人間と現代人が大して変わらないように思えることです。いや実際変わらないのでしょう。彼らの方が間違いなく体力ありますけど。
事実は小説より奇なり・・・ ★★★★☆
 「アナバシス」って何?

 「敵中横断6000キロ」って・・・なんか凄そう!!

 で、作者が、クセノポン!
 プラトンと並んで、ソクラテスの弟子の一人!
 ということで、読みました。

 事実は小説より奇なり・・・
 冒険小説顔負けのなんとも凄い物語でした。


 敵中で孤立したギリシア人部隊を率いた時、
 クセノポンは、弱冠30歳ほど。
 年齢の点もあり、明確な指揮官にはなりませんが、
 1万3000余名のギリシア人を、鼓舞する演説を再三にわたって実施し、
 部隊全部の窮地や自身への誹謗から身を守ります。

 言葉による説得がいかに大切であり、有効であることか

 が、緊迫した局面で登場するので、ひりひりするほど強く伝わってきました。

 クセノポン・・武人でしたが、やっぱり、ソクラテスの弟子だったんだな、
 と思った瞬間でした。
軍記物として読んでも面白い ★★★★☆
ギリシャ的な、あまりにもギリシャ的な、と言いたくなる本。
確かに、古代の武具にどのような物が使用されていたのか、また、陣形はどうだったのか、という、興味深い資料ではある。
しかし、それだけではない。
人物の描き方が生きいきとしていて、歴史小説としても楽しめるだろう。

ただの回顧録、という文体ではなく、ホメロスからの長いギリシャ文学の形式は引き継がれている。
訳注も充実しているので、古代ギリシャに興味がある人なら楽しめるだろう。
しかし、クセノポンよ、自分のことをここまで格好良く描けるとは、さすがにギリシャ人だ。