本家kbj40の玉手箱
★★★★★
スゴイの読んじゃった・・・と
アタシの脳がびっくりしてるのよ!!!
出来れば前知識無し状態で読んで頂きたい。
優秀な介護人のキャシー。
そのキャシーに世話をされている
「提供者」と呼ばれる人々。
キャシーは生まれ育った施設「ヘールシャム」と
そこで一緒に暮らした生徒達を思い出す。
輝きに満ちた幼年期。
美しい青春時代。
そして少しずつ明かされるキャシー達の
皮肉な運命と驚愕の真実。
誰も考えつかなかった青春小説。
静かに運命を受け入れる登場人物たちの強さに
涙してください。
ヒトが人間と成って辿る偉大と悲惨な道行
★★★★☆
折しもエドワーズ氏のノーベル賞受賞があり筆を取りました。クローン羊のドリーから提供者への距離~ヒトが人間と成って人類の文明史が始まり、近未来へと辿る道行~が抑制の利いた淡々とした石黒氏の文体で「提供者」達の宿命的な生活営為として描写されている。ヒトが人間と成って文明を構築出来た根源は数とりわけゼロの発明、言語の発明、そして究極の存在としての神の発明でした。今我々人類は神が神に似せてではなく人間が人間に似せて「ヒトー人間」を造る段階まで到達したとすれば、この作品は現代の黙示録となる筈です。
(有)タケフジ
★★★★★
一生のうちにどれだけの名作と出会えるでしょうか?この本こそ、自身にとっての珠玉の名作です。優しい語り口ながら、非情且つ悲しくも暖かい物語で綴られ、後半につれ明らかにされていく驚愕の世界観に登場人物と共々翻弄されているかのようでした。知らずに頬を伝う涙はいつまでも止まることなく溢れて文章を霞ませくれます。これからの未来への警鐘として、このような未来予想図を選択する事が可能な世の中にならないことを切に願いつつ、多くの読者諸賢にこの名作に出会ってほしいと思いました。地球の未来も離さないでほしいですね。
あーふぃす堂
★★★★☆
本屋の紹介文にあったとおり、淡々と自分の過去を書き連ねた…だけではありませんでした。この運命自体、ありえない話ではないのであろう、と常々考えていました。そして、それを課せられる人々が痛々しいくらい、精一杯あがいている、と感じる作品でした。