器の小さい男の「嫉妬」を見事に演じた岸辺一徳が凄い!
★★★★☆
素晴らしい原作に豪華絢爛な役者陣。鳴り物入りで始まったドラマだったが、期待したほどの視聴率ではなかった。そう、確かに面白かったんだが、では本放送中、毎週楽しみだったかというと、実は何度か脱落しかかったのも事実。なんというか、ドラマチックな展開なんだけど、人物を描き切れていないんだよねぇ。なんか登場人物みんながみんな、人間味が足りないというか、「苦悩」とか「葛藤」とか…。
そんなことを思ったのは、岸辺一徳の凄さを見せつけられたからなんだよねぇ。なんというか、それなりに能力はあるものの、器の小さい男が、自身の立場さえ脅かさんとする者への、隠しきれない「嫉妬心」。それがやがて「僻み」から「妬み」、そして「憎悪」にまで変わり、最後は感情の高ぶりを抑えることができないまま病に倒れ…なんて、そんな男を演じ切った岸辺一徳の鬼気迫る演技に魅せられて、後半は一気に盛り上がって見ていたなぁ。いやぁ、この人やっぱ凄いよ!
本編は最後、尻切れトンボだったよね。絶対最終回は2時間のつもりだったと思うんだよね。いったんは左遷させられていた岸辺演じる副社長がまた本社に舞い戻ってきて、さぁこれからもうひと波乱、のはずだったんだろうけどなぁ…。だけど最終回は通常放送で延長も無かったもんね。で、本DVDでは、そんなカットされたであろう、あんなシーンやこんなシーンが入っているところはポイント高いかな。あっ、それと原田芳雄とエンケンはさすがのGJでしたね。