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クルド人のまち―イランに暮らす国なき民

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新泉社
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新しい出会いとなる本 ★★★★★
これまで、まったく知らなかったクルドのこと。
この1冊でだいぶ近づける気が…する。
もちろんそれは、
錯覚でしかないのだが、
この1冊に書かれていることは、
ほとんど世界が知らないこと。
知らされていないこと。
いや、知ってて、黙認されていることだ。

クルド人は、
国を持たない世界最大の民族である。
元々その地に住んでいたというだけで、
勝手に国境が引かれ、
国ができてしまった。
トルコ、イラン、イラク、シリアにまたがる、
クルド人の住む地、クルディスタン。
作者としてはトルコ編に続く2冊目のイラン編。

トルコに比べ、
一見容認されているイランでも、
やはり差別の根は深い。
イランの中でもクルド人は少数派であり、
さらにまた、シーア派による国の統制は、
スンニ派である彼らはさらにマイノリティーである。
望んでそうなったわけでも、
何かの落ち度があってそうなったわけでもない。
ただ、そこにいただけだ。
分断され、
迫害され、
締め付けられている。

著者は、
あるきっかけで、トルコでクルド人に出会い、
それから彼らを追い続けている。
カメラを向ける彼らが言うのは、
「どうか私たちのことを、
日本の人たちに、
世界に人たちに知らせてください」
ということ。

世界のだれも、
彼らを助けようと、
彼らの事を知ろうとはしない。

差別は当然のごとく貧困となり、
そこから抜け出すことはできない。
知らないことを知る。
きっとそこからすべては始まる。
この本との出会いは、
そんな予感がした。

著者の目線は、
いつでも彼らの側にある。
子どもたちも、大人たちも、
カメラの前では屈託なく、
そしてまた、
彼らの住むその地も、
美しく、あたたかい。

新しい出会いのある本でした。
素晴らしかったです。 ★★★★★
家にいながらにして、異国の女性一人旅をした気分になりました。
バカンスとか、リゾートとかからほど遠い、異国の現実。
この本に出会わなければ、一生知ることのなかった世界を
巧みな文章力で、ぐいぐいと見せてくれます。
絶対お薦めです。