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小説十八史略(三) (講談社文庫―中国歴史シリーズ)

価格: ¥770
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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本巻が扱うのは前漢の最盛期から後漢の衰退期までです。 ★★★★★
本巻では武帝がもたらした前漢の全盛期からその武帝末期の失政に端を発する前漢の衰退と滅亡、王莽の時代、後漢の成立と外戚・宦官の横暴によるその衰退、そしていよいよ三国志の序章、つまり黄巾の乱とそれが契機となった群雄の登場までをカバーします。武帝の匈奴政策に関わる人たち(例えば李陵や司馬遷)の運命の流転は他の書でも読む機会が多いでしょうが、その後の陰謀の連続といってよい歴史は、私もそうでしたが、馴染みの薄い人が多いのではないでしょうか。そういった人には本書は絶好の読み物です。皇帝専制政治の悪い面が次々と噴出します。武帝自身も罠を見抜けず有能な皇太子を死に追いやり、哀れな晩年を迎えます。陰謀をめぐらすのは宦官や外戚だけではありません。庶民の地位から登極した宣帝が善政を敷くことができたのは、霍氏一族を一掃してからでした。宣帝の時代もつかの間に終わり、凡庸な皇帝が続き、王氏一族、特に王莽が権力を奪取し、遂には自ら天子になります。この王莽が自分のたくらみを着々と進め、最後には聖人の化けの皮が剥がれて破滅に至る過程は読み応え十分で、本書の白眉だと思います。その王莽を主人公にした歴史小説が書かれるとは夢にも思いませんでしたが、塚本 青史氏が「王莽」を著し、比較的最近文庫本でも出ているので、王莽の屈折した心理を深く探求したい人は同書を併読するとよいでしょう。王莽の後、漢は復興しますが、優秀な皇帝は初代光武帝・第二代明帝ぐらいで後は政治は乱れっぱなし。混乱の中で、いよいよ三国志の英雄達が登場する時を迎えます。本シリーズの虜になった読者は次巻を待ちきれないことでしょう。
深い歴史知識に基づく傑作 ★★★★★
中国の歴史が好きなのでシリーズ通して大変面白く読めました。
私がおすすめするのは漢の武帝とその息子、戻太子にまつわる悲劇から宣帝時代までのくだりです。
さまざまな伏線と謀略とが入り混じってすごく面白いのです。
登場人物が多い上に長い年月のことを書いていますので、人物の掘り下げなどは多くないのですが、このシリーズでは人物を描くことを目的としていませんので問題ありません。
むしろすっきりしていて良いくらいです。
時代の大きな流れ、その中で象徴的ともいえるエピソードの数々を作者の想像を交えて書いているのですから、人物に感情移入したい人には向いていません。
客観的に時代の流れを見ることができ、歴史に造詣が深くない人にも楽しく読めます。決して堅苦しくありません。
エピソードの大半は皇帝やその周辺の人々のスキャンダルなんですから…。
この巻の目玉はやはり、武帝の時代だろうと思います。
特に霍去病は人気のある武将ですからご存知の方もいると思います。
また、悲劇の将軍李陵や彼を弁護した為に罰せられた司馬遷など見所は盛りだくさんです。
ぜひ、読んでみてください。
漢の安定から衰退 ★★★★☆
項羽と劉邦の時代が過ぎ、英雄が多くでて日本では好まれる三国時代までの流れを追っていく小説。次にくる三国志の時代の伏線を引くために興味を惹く文章になっている。

 この時代には西域の拡大に伴う英雄が多く排出され、しだいに「中国」が拡大している様子がよくわかる。しだいに国が膨張をはじめ、視野が広がっていく。大国となった後、内憂により破綻していく。
 歴史的には安定していた時代のように見えて、内紛の続いた様子をよく描いている。