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諸葛孔明〈上〉 (中公文庫)

価格: ¥760
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論社
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1日で読みきれます ★★★★★
三国志を読んだあと、この本を読みました。
とても読みやすく、1日で読みきってしまいました。
いくつかの補助資料とは異なり、あくまでも小説(読み物)になっています。
上下巻とも飽きずに読めますよ。
三国志を勉強しました ★★★★☆
正直言って、興奮しなかった。勿論、読んで損をしたとは思わない。物凄く詳しい史実に裏打ちされた客観的な描写。三国志について学んだ、諸葛孔明を知ったとの思いがある。自分の三国志理解が浅いのだと反省もする。ただ、この本、映画Red Cliffを観た直後に読んだので、赤壁の戦いの書き方があっさりしていて拍子抜けしたとの思いもある。これは作者陳舜臣の作風によるのか。三国志時代以前の小説ではあるが、一年前に司馬遼太郎「項羽と劉邦」を読んで血沸き肉躍る思いをしたので、どうしてもそれと比較してしまう。
三国志です ★☆☆☆☆
まず最初から3分の1は基本的に諸葛孔明の叔父、諸葛玄の小説です。
孔明や姉の鈴などが端役として登場し諸葛家が好きな人、またそうでなくても楽しめる内容であると思います。

玄の死後の内容に期待しましたがこれががっかり。普通の「三国志」です。
これでは主題を諸葛孔明とするのは納得できない。孔明は三国志の重要人物であるから、普通に三国志を書けば孔明は登場するわけですし、本書の孔明のくだりは「諸葛孔明」と銘打つほどのものではない。

それにもかかわらず無理に諸葛孔明という題にしたものだから三国志でおこる事件が時代順に書かれておらず、時を戻っての説明が多くタイムテーブルでの理解が非常にしづらい。

確かに読み終わると他のレビュアーと同じく孔明という生身の人間を実感することはできるが、孔明の登場シーンが少なく、408ページも無駄に読まされた感は否定できない。

もっと孔明の登場シーンが多ければ諸葛孔明という人間を学ぶことができるが、結局のところ孔明を完全主人公にするほどの資料がなかったのだろう。

但し、三国志・人物伝として捉えれば面白いと思います。
たくさんの登場人物、人間関係、横のつながりや時代背景、地名、役職の説明はかなり細かく、三国志の世界を堪能したい人には良い書き物だと思います。

※諸葛玄の他、孫策や融については描写が細かいです。ですが、関羽や張飛については完全なおまけキャラ扱いです。

それと本として注文をつけるならば、地名や人名のふりがなが基本1回しか記載されていないので大変読みにくい仕上がりとなっています。
等身大の孔明 ★★★★★
フィクションの入った小説では描かれることのなかった孔明の生い立ちから少年時代の成長期の彼の心の動きを追い、同期の若者たちとの交流を描き、諸葛家の「耳と眼」としての機能を果たすという重要な役割を持つ秘書「甘海」、孔明を陰で支えた妻「綬」などの脇役を出演させて、さまざまな思いを巡らす人間らしいまさに生きた孔明がここに居るような気にさせてくれます。
当時の大志を抱く少年たちと同じく、孔明も大成するには誰に就くのが良いのか、立身出世を狙い中国の群雄勢力図とにらめっこしながら大勢の将軍を見比べては、話に花を咲かせていた時代がありました。この国を何とかしたい。自分の夢を実現させてくれるのは誰であろうかと日々悶々としていた孔明の内面がよく描かれ、劉備に出会い、一気に才能を花開かせていく。その過程で自分を冷静に見つめる孔明。自身でも気がつかなかった一面にハッとしたり、思いのほか劉備に入れ込んでいく自分に改めて驚愕してしまう様子など、笑いもするし、怒ったり泣いたりと感情豊かな孔明もよく描いています。
孔明にはある面で冷徹なところがあり、他の武将と同じで目的の達成のためには他人に犠牲になってもらうというようなことも考えますが、劉備にはその強さがない。負けがこんで来た時の今一歩の粘りがなくいまにもポキっと折れそうになる。でも孔明はそんな劉備に傾倒し、また劉備も孔明を支えとしていくという主従を超えた相思相愛の関係を孔明の内面を通して見ることができます。

劉備は漢室の血筋を受け継いでいますが、長く庶民の生活に身を置いていたので、少々だらしがないという印象を孔明は持ちます。なかなか面白いです。

話の途中途中に群雄の勢力関係や当時の生活、文化、社会などの背景も解説されているのでよりリアルに三国世界を味わえると思います。
人間孔明の実相に迫った秀作です ★★★★★
吉川文学の「三国志」や、明国の「三国志演義」、そして本作の著者による「秘本三国志」などでは、諸葛孔明は神知に通じた不世出の天才軍師ということになっているわけなのですが、どうやら実際はそうではなかったようです。

正史にも北伐(魏攻略の遠征)を繰り返すも民が疲弊するばかりで、その才能は元これ軍略に通じるものではなかったのではないか、と述べられているといいます。

諸葛孔明は、古代にはまれな実務者であり、知と理性の人であり、そしておそらく民を慈しむ良質な政治家だったのでしょう。かれが天下三分の計を提唱したのは史実のようであり、戦略地図を考案する能力には比類ないものがあったのでしょう、この小説は孔明の実相に迫ろうとする数少ない小説であり、かれの生い立ち、いかに育ち、学び、その人格と思想を涵養したかが描写されつくしてあり、そして終盤は大国を攻めあぐねて苦しむ小国の宰相の純粋な人間性に、孔明も人間だったかと親近感を感じられるような、稀有な三国志ものとなっています。読み進むうちに、決して神がかりの天才軍師などでない、人間孔明にますます敬意を抱いてしまいます。

歴史家の分析する孔明像に近い「諸葛孔明の真実」を描いたこの小説は、おそらく、唯一の歴史の真相、実質を反映した諸葛孔明伝、といえるのだとおもいます。秀作です。