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太公望〈上〉 (文春文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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中国古代の伝説の人物を描く大作第1巻 ★★★★☆
宮城谷作品初心者の私ですが、本作は「晏子」からの連読となりました。
時代は「晏子」の時代から大きくさかのぼり、その斉の国を建国したかの太公望の物語。
はて太公望??中国史オンチの私には釣り人のイメージしかなく、そのまんまの知識で読み進めましたがこれが面白い。
歴史上の人物とはいえ、かなりの古代、しかも、文字も発達していない時代の話のため、幻想的な光を帯びた女たちにであったり、月光すら斬ってしまうという剣術を身につけたり、とその物語は伝説的、神話的な雰囲気を帯びています。そういう意味では歴史小説とはいいにくい部分がありますが、それが、逆に本作の魅力になっているように思われます。
第1巻は商王朝に一族を殺された子供たちが、窮地を脱しながら少しずつ仲間(理解者)を増やしていく展開。人物名を覚えにくいのが玉にキズですが、それでもぐいぐいと引き込まれます。次巻以降楽しみな第1巻です。
いりが絶品 ★★★★★
著者は研究者並みに歴史、漢字について調べています。
調べたことに関して謙虚な姿勢で接してます。
この物語の始まりは今まで読んだ中で絶品です。
自分が両手で持ち上げられて、物語のはじまりの場面に
そっと置かれたように、読んでる自分の周り360度が話の中でした。
文章の丁寧さで安心して読めます。
著者が書き始めるまでの努力が垣間見えます。
支えた奥さん、グッジョブ!
ふつー、途中で支えるのやめると思う。
壮大 ★★★★★
歴史物の小説が好きでよく読みますが、この本の著者の本は読み進めていく内にどんどんと話に引き込まれ、遠い昔の出来事を題材にしているにもかかわらず、登場人物の織り成すドラマが生き生きと脳裏に浮かんでくるので、読みやすいと思いますし、とても面白い本だと思います。
また、登場人物のひととなりがカリスマ性をもちながらもふとした面で、非常に人間くさいといった点もあり、魅力的な人物像であることもこの本の面白さのひとつではないでしょうか。
物語に含まれる、各人の立場や想い、そして物語を通しての主題というものに関しては、読まれた方それぞれの感じ方があると思いますので、特に記述しませんが、読後感も清々しい、素晴らしい本だと思います。
『太公望』(上/中/下) ★★★★☆
古代の宗教観や風習などが取っつきにくく感じられがちですが、内容自体はとても分かり易く組まれており、かつ太公望とそれを取り巻く人間関係が複雑に絡み合って、読み終えたときには奥深さと達成感を強く感じることができました。
内容に信憑性を伴わせることができない時代背景ではありますが、当時の独特な雰囲気を受け止めることのできる良作だと思います。
流浪の太公望 ★★★★☆
愛読する作家、宮城谷氏の作品です。
今回描いている人物は太公望。本名は呂尚です。「太公の望んだ人物」
がその敬称の所以とも云われている。古代中華史において、これほど
重要な人物はいないにも限らず、文字が普及し始めたばかりの頃の人
物なので、伝説と史実の中で良く分からない人である。

この上巻では、望(太公望)の少年期に始まり、仲間と離散集合を繰
り返しながら、成長し妻帯者になるまでを描いている。

望は羌族の人だという。羌といえば、遊牧民族。当時の中国には羌族
が多かったようだ。いや、中国のほとんどの族が遊牧をしていたので
あろう。商(殷)だけが突出し農耕を行い、その余剰生産物で交易を
行い、商業を興こしたと考えたほうがよさそうな印象だ。

彼の人生はこの物語が始まった瞬間から商の受王への復讐を一貫した
志としている。

これは殺戮を志した人生を選択した事になる。自分自身も賊にたびた
び襲われ、死地を潜り抜けるのだが、賊が悪であるとするならば、自
分の大志も賊と変わらないというジレンマを望自身が感じている事に、
物語の深みを感じている。

中巻以降も楽しみです。