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管仲〈上〉 (文春文庫)

価格: ¥637
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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名宰相の凄まじい一生 ★★★★★
まず僕が興味を持ったのは、物語の流れにそって女性の生き方とか結婚に対する考え方とかが多く取り上げられていることです。 女の人に歴史小説を好きな人が少ない理由は、多くの作品が男性優位の社会での男の生き様を、男性目線で書いているからだと思います。 でもこの作品では、主人公のまわりの女性たちを通して、自立した女性というか、魅力的な大人の女性をとても上手に書いています。

あと、歴史的な記述に絡めてところどころにでてくる哲学的なメッセージが他3作品と比べても多く、その箇所に戻ってじっくり意味を考えたくなるフレーズがいくつかありました。
ぜひ探してみてください!!

名宰相として華やかな功績のおおい管仲ですが、その若年時代は、貧乏、最低な家族、実らぬ恋など、悪いこと続きで、独りの人間として大いに思い悩む姿があります。むしろそうした過去があったから、これだけの成果を挙げることができたのだ、という大胆な仮説なので異論反論も多いと思うのですが、僕はこのキャラクターを素直にかっこいいと思いました!
歴史的空白の多い管仲を、宮城谷さんが文字通り「創造」することに成功した、素晴らしい作品です♪


『管仲』(上/下) ★★★★☆
中国古代史の奥深さを知ることのできる宮城谷氏ならではの作品だと思います。
特に、人間関係の機微が巧みに表現されており、現代を生きる私達にとっても学ぶことの多い内容だと感じました。
名言の塊のような書 ★★★★★
素晴らしい本です。
おそらく自分の人生を変えるでしょう。
この本に出会った自分と出会わなかった自分では10年後には雲泥の差がついているはずです。


中国至上最高と言われる宰相とは思えない物語です。
上巻は若き頃、才能はあっても挫折と天が与えた試練に打ちひしがれ、努力をしても全く手ごたえを得られない踏んだり蹴ったりの人生を書いています。
しかし少壮頃の努力と研鑽、さらに努力家のみが感じる「努力をすることの虚しさ」を知っているからこそ後に偉大な宰相へと昇華できたのではないでしょうか。

私も彼の様になりたい。その為の努力は明日、明後日には実らなくとも10年,20年後にはきっと
大きな花を咲かしているだろう。


20代の初めにこの本に出合えて本当に良かった。
諸葛孔明が敬愛した古代中国最高クラスの名宰相 ★★★★★
三国志で孔明が友人に志をとわれたとき、”管仲か楽毅のような。。。”といったはなしで、興味をもっていました。この傑作で面白く勉強させていただき、感謝しています。

管仲は古代中国最高の名宰相といわれた叡智のかたまりのような男のようですが、この小説で、その若年時には人生の辛酸を嘗め尽くすような、厳しい試練の連続であったことが印象的でした。天分があるものも、苦労という修練があるからこそ能力もたましいを磨き上げられ、ほんものに昇華してゆくのでしょう。

管鮑の交わり、ということばも知っておりましたが、親友で生涯の盟友となる鮑叔との硬くけっして信頼がくずれることのない、時空を超えてつよい絆、真の友情は心に響きました。

天分と、艱難に負けない強さと、友情を重んじる節義が、かれに大輪の花を咲かせたのでしょう。これも小説になっているのを知って本当によかった。
衝撃的な古代文学でした。尊敬するひとがふえてしまいました
人間味のある偉人 ★★★☆☆
古代中国の歴史ものでは、超人的な武力や知力が強調されがちだが、この作品では若き日の管仲の有能な面だけでなく、恋や親子関係、主君への忠義に悩んだ人間臭い面が丁寧に書かれている。
管仲の他にも、人間味のある魅力的な人物が多数登場し、現代社会での成功/失敗する人たちの縮図を見るような感覚にもとらわれる。
この時代の人たちが、どのように苦境を乗り越え大事を成し得たか、また彼らがどのような精神性をもっていたかは、なんとなく生きている現代人へのよい手本になりえる。
個人的には斉の行政に携わるようになってからの管仲の働きについて、もっと紙面を割いてほしかった。