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3-4x10月 [DVD]

価格: ¥3,990
カテゴリ: DVD
ブランド: バンダイビジュアル
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失語症かと思いきや突然切れてヤクザに殴りかかる少年w ★★★★★
ギャグのクオリティの高さ、たけしの子供のような顔とつるつるした肌、彼の優しさ、そしてカタルシスをもたらすラスト。実はたけしとは、日本が生んだ第一級の思想家なのだ。
実は、その後の北野映画のエッセンスが凝縮されたカルト作。 ★★★★☆
北野武の作品はかなり観ていると思うが、特に好きなのは、「その男、凶暴につき」から「あの夏、いちばん静かな海」までの初期の3本。中でも、第2弾の今作は、その奇妙な味わいが今も印象的なクセモノ作。その最新作の劇場公開に併せ、廉価化として再リリースされているのを機に購入、久しぶりに見直してみた。
公開時、まずはその奇天烈なタイトル名が好奇心をそそったものだが、始まって、いきなり真っ暗闇の中に浮かび上がる(実は、ブース型の公衆トイレで用を足していた)柳ユーレイの顔からして、確信的に人を食っている(笑)。
以下、カメラをフィクスし、長回しで被写体を凝視する。俳優たちのアクションは極力抑制され、画面の外の事象のリアクションは、当たり前だけど、“音”でしか判別出来ず、観る者の想像に委ねられ、カット繋ぎも連動性はなく、敢えて時系列は所々で省略される。
暴力的でピリピリと緊張感が張りつめているような、それでいて時折流れるすっとぼけたユーモア。その後の北野映画の基となったようなエッセンスが凝縮されたようなリズムが面白い。
主人公はGSの店員、彼は、店に因縁をつけてきた暴力団員を殴り、オトシマエをつけるよう組から凄まれる。GSの従業員たちの草野球チームの監督らしき人物にガダルカナル・タカ、彼は、今は堅気だが、かっては武闘派やくざ、チームメイトのダンカン共々、話の仲裁に入るものの、ミイラ取りがミイラになって、、、。
主人公の淡い恋愛劇を絡ませながら、決して込み入ったお話でないにも拘わらず、どうも上手くストーリーが説明出来ない(笑)。過剰な説明を排し、映像重視でシュールなイメージが漂うのは、このドラマ自体に大きな“仕掛け”があるからだろう。
柳ユーレイは、そのキャラ通り、たけし軍団ではまるで目立たない存在だったと思うが、私にとっては、今作と、「女優霊」、「呪怨」の2本の最恐ホラー・ヴィデオで、忘れられない俳優となった。
ボーイ・ミーツ・ガールの語り口の巧みさ ★★★★★
 これが最高傑作でしょう。2作目とはとても思えません。

 北野監督といえば脚本の随時改変や即興演出のことをよく言われますが、この脚本第2作でのボーイ・ミーツ・ガール(主人公がヒロインをバイクに乗せるまで)の語り口の巧みさには驚きます。
ダメな映画はこういうとこが恐ろしく安易なんです。

 仕事場でのトラブルで主人公は仕事が休みになり、午後の時間がぽっかり空きます。
行き場のない彼はバイク屋の友人を訪ねます。
友人はバイク配達の仕事があり、彼はそれに自分のバイクで付き添います。
配達先のヤンキーの客は、店からのサービス品であるヘルメットの受取りを拒否します。
(その後、客はすぐ事故ります)
主人公と友人はカフェへ行って雑談しますが、主人公の奥手ぶりに友人は呆れ、「ナンパでもしなきゃ何も始まらないよ」と言い、「これ、あげるよ」とさきほどのヘルメットを置いて立ち去ります。
ここで「ヒロイン用のヘルメット」と「ナンパの動機付け」を主人公が得て、勇気を振り絞ってウェイトレスであるヒロインをドライブに誘うわけです。
奇妙な、あるいは奇跡のような映画 ★★★★☆
妙な映画を観たと思った。面白いんだかつまらないんだかわからない。
そのくせずるずると観続けてしまい、気がつけば最後まで観終わっていた。

 通して観てしまった理由を考えてみるに、北野武の映画について語る上で
重要な要素が多く含まれていたというのはあるように思う。ヤクザ、唐突な
暴力、独特の間、悲哀すれすれのおかしさ、静寂、破滅と一体になった解放を
迎えるエンディングなど、そういったものが、本当に淡々とプロットの上に
置かれている。ストーリーも実際のところ、一応 一本の芯が通っていて、
愛や友情を交えつつ大小の帰結をふまえて進行していく。そういう意味では、
「北野武」による、「普通」の映画だ。

 ヨーグルトなどの食品を表現する言葉に、「プレーン」という言い方が
ある。知ってのとおり、余計な味付けを一切加えないことを意味する言葉だが、
私はこの『3-4x10 月』が、プレーンな北野映画なのではないかと思った。
音楽さえもいっさいまじえず、娯楽として彩ったり芸術として昇華することもなく
提出された、北野武のとても深いところから取り出されてきた透明なもの、
それがこの作品であるような気がする。
 実は、そうした作品を目にすることは、とても貴重なことなのではないだろうか。
なぜならばたいていの作品を、映画の作り手たちはもっと楽しく見せようとしたり、
ときには自分の身の程を超えたものを撮ろうと試みるからであり、北野武でさえも
この映画を除いてはその例にもれないからである(と思う)。
 『3-4x10 月』は、商業製品として課されるはずの運命からも、作り手の
エゴからも逃げ切って表に出てきた、ある意味では奇跡のような映画であるのかも
しれない。面白おかしいエンターテインメントを求める人には絶対にすすめないが、
暇のある映画好きの方は、観てみたら稀有な体験ができるのはないかと思う。
もっと評価されるべき ★★★★★
ガソスタに務める雅樹は、草野球に出てもぼさっとしている。そんなあ
る日、勤務中に殴ってきたヤクザを殴り返してしまう。そこから始まった
組とのいざこざを終結させるべく、彼は沖縄に飛び立つのだが…。

野球場の青空や沖縄の原色系の草木など、全編にわたっての「色味」
の美しさや、静止画のようなカットをつなげていくマンガのコマ割りのよ
うな編集の手法は、「軍団」のキャスティングをさっ引いてもおつりがくる
くらい、これが北野の映画だということをアピールしている。誰がどう見
たって彼がとった映画にしか思えないだろう。ソナチネよりももっとシンプ
ルに、HANABIよりももっと冷徹に、彼の持ち味であるエロスと暴力、生
(性)と死の交錯に到達している。

若き日のトヨエツ演じるインテリヤクザも拝めるこの映画。最後に蛇足が
ついているが、それがあろうとなかろうと名画であることに変わりはない
だろう。