俺たちは、何も信じちゃいない。『のぼうの城』で大ブレイク、超弩級新鋭の第二作! 人間離れした技ばかりが、忍びの術ではない。親兄弟すら欺き、ひたすら出し抜くこと。でなければ、生き残れぬ。戦国大名不在の国、伊賀国に織田軍一万余が攻め込んだ。「その腕、絶人の域」と言われる忍びの無門は想い女のお国を連れて敵前逃亡をはかるが……。歴史時代小説の枠を超えた面白さと圧倒的な感動に包まれる傑作長篇。
読みどころは冒頭の殺陣シーン
★★★★☆
本作の読みどころは冒頭の殺陣シーンである。
信長の長男の信雄(のぶかつ)はこのとき18歳、婿入りした義父、
北畠具教を、暗殺するために居城を襲う。天井裏に潜む伊賀忍者は、
後の石川五右衛門。
史実にはないが、作家の想像で、当時の有名人が交錯する。
この手法の第一人者は、もちろん、故山田風太郎であるが、
風太郎翁の幻術を読みつけている人は、少し物たりなく思うかもしれない。
ところで信雄を祖とする、織田藩宗家が、後に封じられる天童はかつて
南朝北畠氏の一族である北畠天童丸が、山城を構えたところであった。
のぼうの城とはちょっと違う
★★☆☆☆
のぼうの城の雰囲気が好きで
忍びの国、小太郎の左腕と読みましたが
どちらも路線が違う。
より大人な感じとでも言いましょうか。。。
のぼうの城を読んであ〜い〜な〜、
同じ様なのがい〜な〜、
という方はちょっと違うかもしれません。
忍びの国
★★★★★
面白かった!
王道の歴史小説は難しくて話に入りにくい事が多いが、
今風の言葉の言い回しや、描写は理解しやすくていいと思う。
「人間じゃない」というのが、話の柱にあったのだけれど、
マンガやゲームの「完璧でかっこいい忍者」ではなく、
私は色んな意味で人間らしい忍者達だな…と感じた。
忍者物の難しさ
★★★★☆
戦国期の第一次伊賀の乱、伊勢を治める織田信雄の伊賀攻めを描いた物語。
読みやすく、話しが盛り上がるにつれて信雄方と伊賀方の双方を応援してしまうような感じすらあった。
忍者の装束や忍術に関する考察も、資料を交えて説明していて良かったと思う。
また、時代小説にはつきものの濡れ場のシーンを一切排除していて、
とにかく戦と謀略を見せ場にして集中し、勝負していたのも良いと思う。
忍者物というと超人的な体技や跳躍、技が出てきて伝奇的な作品に傾いてしまいそうな所だが、
もしかしたらこんなことも出来たのかもしれないなという可能性の許容範囲内になんとか収めて、
さらに資料を駆使する事によって史実とのバランスを保ち、うまく融合していたようにも思える。
だが、それが返って中途半端になっている気がしてしまうのは何故だろう。
スピードとヴィジュアル感勝負!
★★★★☆
和田竜さんの作品全般に言えることですが、良くも悪くも脚本的です。
圧倒的なスピード感と、少ない文字数で場をイメージさせることに長けた小説だと思います。
台詞に関しても、簡潔で分かりやすい。
そのため、本をあまり読まない方にもお勧めできる小説です。
逆に日常読書をされる方、特に時代物を好まれる方には「物足りなさ」を感じる人も多いのではないでしょうか?
個人的な感想をいえば、少々物語や人物の背景に物足りなさを感じるものの、展開の面白さや史実を取り入れているのに全てがフィクションのような作風に大いに楽しませてもらいました。
ちゃんとした監督や俳優で撮ってもらえるのなら、ぜひ「のぼうの城」に続き映画化をしてもらいたい作品です。