明治天皇の知られざる一面
★★★★☆
明治天皇8時に起床し、11時頃に就寝するまでの流れ、そして起床時、食事時、入浴時などの伝統、あるいは天皇に使える女官たちの作法、天皇のコレクション、退屈している侍従たちに対する天皇の退屈しのぎの指示、天皇の側近への気遣いなどが200ページに満たない書の中に凝縮されている。
多分に側近たちの回顧の引用が多く感じるが、内容が極々僅かな人間しか知らない天皇の宮殿内での御言動のために仕方ないと言える。
明治天皇の宮殿内での人間像に関して書かれた本が少ない中で、明治天皇の節約家としての一面、あるいは側近に気を配る一面、年上の皇后への気遣いなど読んでいて飽きはなかった。
ただこの件を雅子さまの問題を理解するための前提としている割には、それに対する関係性についての言及が少ないのが若干の不満である。