インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

朱色の研究 (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
Amazon.co.jpで確認
「朱色」の世界観を堪能できるかで、満足度が変わる一冊。 ★★★★☆
有栖川さんの作品にはシリーズで登場する、アリス・火村の登場作。
単行本の刊行は1997年で、今よりも一昔前だが、バブルが弾けて
からは幾分か経っている時代の雰囲気を感じることができる作品。

表題の通り、「朱色」をキーワードにした殺人事件が冒頭で展開し、
ストーリーが進むにつれて、その事件と過去に関係人物の周辺で
起こった事件・事故・出来事との関連が示されるというあらすじ。

そこに登場する人物も、テーマとなった色に関連した何かを持って
いたり、途中朱色から派生した太陽信仰の話や、「レイライン」という
一種スピリチュアルな領域についても、豊富な小ネタ?が散りばめ
られていて、そのテイストは有栖川さんらしいものかもしれない。

また、夕焼けの色でもある「朱色」が根底にあるためか、作中ずっと
あの夕暮れ時に感じるような何ともいえない寂しさのような空気が
漂っていて、その世界観にも滲み出てくるものを感じ取った。

その色彩をどのように受け取るか、またアリス・火村という人物に
どれほど興味を持つかで、最終的な満足度は★1つ分くらいは
左右される作品かもしれない。

一方で、Amazonのレビューでは一部「弱い」と評されている殺人の
動機や、犯行に使われたトリックについては、推理小説として論理が
破綻するほど致命的でなく、少なくとも及第点は与えられるかと思う。
世界の終り。 ★★★★☆
プロローグがとてもよかった。取材旅行の計画を立てている有栖川、二年前の事件の事で火村を訪ねる貴島朱美、そして夕暮れのお告げを聴いてしまう犯人!その背景には有栖川いわく「世界の終わりの様な夕陽」。真赤な夕日の中での物語のスタートが鮮明に想像できてワクワクしました。

初めて長編の火村シリーズを読んだので火村という人物を知るために他の話も読みたいと思います。表紙のデザインもカッコ良くて好きです。
ちょっとがっかり… ★★★★☆
途中でトリックがわからなくなって読み返しました。
普通のトリックですが、ちょっとひっかかりました…。

火村の悪夢の話や(ちょっぴりだけど)大学での様子が出てくるので火村ファンには嬉しい一冊かもしれません。

二箇所でおきる、過去と現在の事件がつながっていて面白かったのですが…
犯人の動機が薄弱すぎるのではないか…というところなどなどがちょっと味気なかったです。
有栖川先生らしくない感じがしました。
しかし犯人自身が自分を嵌めて火村の目を眩まそうとする点は良かったと思います。

火村が中村の論を理知的にスパッと斬るところが素敵でした。
これまた火村ファンには堪らないシーンだと思います。

有栖川先生の雑学がちりばめられていて勉強になりました。
トリックの意味 ★★☆☆☆
 1997年に出た単行本の文庫化。
 トリック、プロットともにひどい。
 ただ、面白いのは、トリックが否定されること。途中、いくつかのトリックが火村によって解明されるのだが、最後にはそれが間違いだったことが分かる。普通のドンデン返しとは異なり、あっと驚く「別の真相」が示されるのではなく、トリックそのものの存在が否定されるのだ。
 たぶん、著者はトリックを思いついたものの、あまりに荒唐無稽or無理があるため、自己否定せざるを得なかったのだろう。そのあたりをメタ的に読むならば、楽しめるかも知れない。それ以外に読む価値はない。
映像的な作品 ★★★★☆
火村&有栖のコンビの活躍するシリーズで、かなりお気に入りのシリーズです。
朱色と題しているように夕焼けの朱色がまざまざと浮かぶ描写が多々あり、映像の浮かびやすい文章になっていると思います。
グロテクすすぎない描写で内容が描かれているのは、私には好ましかったですが、謎解き自体は、感情に訴えたものになりすぎてるように感じました。
本題ではないですが、太陽信仰・フダラク信仰の部分は、他の本で読んだことがあったこともあり楽しめました。
とにかくもの寂しい映像的な本だと思います。
個人的には探偵役の火村の秘密の一端が明らかになったので、満足度は高いです。