トリックの破綻が残念
★★★☆☆
表題作はトリックが破綻している残念な作品。せめて編集者が気付くべきだろう。
肝心の被害者の指紋が付かないという致命的な欠陥があり、トリックの構成上指紋を拭き取る処理も不可であるため、これではどんなボンクラ警察でも犯人に気付いてしまう。
このトリックの根幹部分はちょっと気が利いていて何とかしたい部分があるがどうにもならないか。
トリックの破綻について説明や回避をしようとするとおおむね以下の二つ。
1 携帯で電話をかける時は指先でボタンを押すから指紋の判別は不可能なのではないか
確かに指の先っぽだけなので、特徴点12カ所を取ることはできないかも知れないが、ボタンを押した人物が同一人物でない、という特定は比較的簡単にできてしまう。つまり、指紋の同一性を証明するのは結構大変だが、非同一性を証明するのはわりと簡単、ということ。
2 被害者に手袋をさせればいいのでは?
これは素人の陥りやすい間違いの一つで、手袋をしていても「手袋痕」というものがつくので、これもだめ。よくテレビなどで捜査員が手袋をした手であたり構わずぺたぺた触っているけど、あんなことしたらすぐ捜査からはずされる。ではなぜ手袋をしているのかというと、自分の指紋を付けて、鑑定などのいらぬ手間をかけさせない為。
ただこの根幹となるトリックがなかなか秀逸なのでなんとかしたいが、するとしたら方法はただ一つ、「2」の方法を発展させるしかないんだけど……。
有栖川有栖はちょっと線が細いけど、推理小説に対しては真摯に向き合っている。それは評価するので、まあ、本編は手が滑った暴投みたいにとらえるのがよろしいかと……。
トリックの破綻が残念
★★★☆☆
表題作はトリックが破綻している残念な作品。せめて編集者が気付くべきだろう。
肝心の被害者の指紋が付かないという致命的な欠陥があり、トリックの構成上指紋を拭き取る処理も不可であるため、これではどんなボンクラ警察でも犯人に気付いてしまう。
このトリックの根幹部分はちょっと気が利いていて何とかしたい部分があるがどうにもならないか。
トリックの破綻について説明や回避をしようとするとおおむね以下の二つ。
1 携帯で電話をかける時は指先でボタンを押すから指紋の判別は不可能なのではないか
確かに指の先っぽだけなので、特徴点12カ所を取ることはできないかも知れないが、ボタンを押した人物が同一人物でない、という特定は比較的簡単にできてしまう。つまり、指紋の同一性を証明するのは結構大変だが、非同一性を証明するのはわりと簡単、ということ。
2 被害者に手袋をさせればいいのでは?
これは素人の陥りやすい間違いの一つで、手袋をしていても「手袋痕」というものが必ずつくので、これもだめ。よくテレビなどで捜査員が手袋をした手であたり構わずぺたぺた触っているけど、あんなことしたらすぐ捜査からはずされる。ではなぜ手袋をしているのかというと、自分の指紋を付けて、鑑定などのいらぬ手間をかけさせない為。
ただこの根幹となるトリックがなかなか秀逸なのでなんとかしたいが、するとしたら方法はただ一つ、「2」の方法を発展させるしかないんだけど……。
有栖川有栖はちょっと線が細いけど、推理小説に対しては真摯に向き合っている。それは評価するので、まあ、本編は手が滑った暴投みたいにとらえるのがよろしいかと……。
ネタバレあり。
★★★☆☆
短編集としては平均以下の出来といった印象。
トリックに驚かされた。さすがは有栖川有栖といった感じ。
もっとハッと驚き、感心するような本格ミステリを読みたかった。
読後の明るさ
★★★★☆
有栖川有栖の国名シリーズはもちろんエラリー・クイーンの真似なんだが、有栖川の方がよい、と思う。
火村の過去の殺人願望が安物ぽくていやだけど。
最終話『蝶々がはばたく』では、思いがけず阪神淡路大震災に話がオチてて泣けてしまった。
何もなくなっても希望は残る。希望を残すのだ。
有栖川の作品に読後の明るさを感じるから好きなのだと、やっと気がついた。
トリックに無理はなく、完成度は高いと思うが......
★★★☆☆
よく考えられたトリックで、無理がなく合理的な解答が用意されていて、ミステリーとしての完成度は高いと思うが、一見魅力的な謎には大して意味がなく、犯人が関係者や捜査陣を撹乱するためだけに用意したものというパターンが多いような気がする。他にも『ひらめき』を必要とするパターンが多く、推理の楽しみを十分に味わえるかどうかは微妙。
本棚の夢語り
★★★☆☆
国名シリーズ3
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。
何のために蝶の標本が天井に移されたのか。
鮮烈なイメージの表題作ほか、
小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、
有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全六篇。
きのこと林檎
★★★☆☆
蝶で始まり、蝶で終わる短編集。人間のダークな面が浮き彫りになっている話が多いですが、その分最後の「蝶々がはばたく」には救われる思いがします。表題作のラストは、想像するだけで焼き付けられてしまうような強烈な画像イメージを持っています。
ピット書房
★★★★★
「国名シリーズ」第三弾。美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、アリス&火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全六篇。短編なのでとても読みやすいです。
木漏れ日の公園
★★★★☆
[感想]国名シリーズ第3弾の短編集。火村&アリスシリーズ。「ブラジル蝶の謎」で始まり「蝶々がはばたく」で終わる。私は自然が生んだトリックと、壮観な景色を想像させる「人喰いの滝」がお気に入り。 ★★★美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全六篇。読者待望の「国名シリーズ」第三弾。
朋実’s図書館
★★★☆☆
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリ全六篇。読者待望の<国名シリーズ>第三弾!―――短編集なのでさくっと読めます。火村せんせ好きなんですよねえ。
Alice’s Home
★★★★★
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全六篇。読者待望の「国名シリーズ」第三弾。
はるかぜ書店
★★★☆☆
■美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、おなじみ有栖川・火村コンビの名推理が冴えわたる傑作ミステリー全6篇。読者待望の「国名シリーズ」第3弾。
ミステリー本屋
★★★★☆
国名シリーズ第三弾。お勧めは、表題作ほか、ホラー色のある「妄想日記」小さい鍵が暴く秘書殺しの「鍵」おすすめです。ほとんど国名シリーズは短編なのでほかの作品もおすすめします。
ToyBox
★★★☆☆
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移されたのか。鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が秘書殺しの謎を解く『鍵』など、有栖川・火村コンビが活躍する傑作ミステリー全六篇。国名シリーズ第3弾。
つるかめ文庫
★★★☆☆
「火村&アリス」シリーズ。短編集。「国名シリーズ」第3弾。表題作を含めた6編が収められています。
こうち書店
★★★★☆
殺人現場には異国の蝶が美しい羽を翻していた‥国名シリーズ第3弾!表題作を含む全6編の珠玉の短編集。
閑古堂
★★★☆☆
瀬戸内海に浮かぶ孤島に10年以上住んでいた男が、蝶々を部屋中に飾り立てられた中で殺されていた。何故、その男は殺されなければならなかったのか。何故、部屋は蝶で飾り立てられていたのか。火村の推理が、その謎を解き明かした……。
謎物堂
★★★★☆
国名シリーズ第三弾、短編集です。
美しい蝶に囲まれた密室で殺害されていた男。何のために天井に蝶を貼り付けたのか…。火村ファンには散々言われた表題作をはじめ、様々な謎に火村とアリスが挑戦する。
個人的には「彼か彼女か」がテンポよくて好きですね。【済】
エッレの図書館
★★★☆☆
国名シリーズ、短編ものです。
最近は、本当に、火村英生にはまっています。
虹色書店
★★★★☆
『彼か彼女か』は蘭ちゃんがいい味出してます。それに、『蝶々がはばたく』は大好きな作品の一つです。ぜひ読んでほしいですね。
夢現屋本舗 eS!店
★★★★☆
これはちょっと意味が違うかなあ。短編集ですが、表題作は蝶コレクターが関係するミステリです。
個人的なおすすめは最後の『蝶々ははばたく』です。ネタばれになるので言えないのですが、トリックと最後の一文が心にしみます。
CLOVER
★★★★☆
美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。おなじみ有栖川と火村コンビの名推理が冴えわたる。傑作ミステリー全6篇。