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逆説の日本史 (3) (小学館文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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いろいろ鼻につくこともあるけど、面白い ★★★★☆
「逆説シリーズ」3巻まで読んだ。歴史上の有名な人物や
主立った出来事を取り上げて独自の分析をしている。

称徳天皇編は、里中満知子の漫画「女帝の手記」と
似た内容で(里中編では称徳は仲麻呂&道鏡と男女の仲に
なっていたが)、ちょっとホッとしたと同時に時代次第で
事実が醜くゆがめられてしまう悲しさを改めて感じた。
桓武天皇編では「史料至上主義」の人たちへの徹底的な批判、
万葉集編では井沢さん自身の主張がちょっと鼻につく。
というか、今後のシリーズでも「これだから史料至上主義の
人たちはダメ」「改憲して軍隊が必要」の話が続くんだろうか、
と少々ウンザリもしてしまったり(笑)
でも、前述のとおり井沢さん個人の主張もかなり入っており、
そこに関してはなるほどと思いながらも流れに乗ってしまわない
ように気をつけはしながら、世界の思想や文化にも通じていて
日本と対比することのできるジャーナリストの視点がとても面白く、
私のような素人にも歴史への興味を(より)持たせてくれるので、
4巻以降も読むつもりでいる。
鉄人823号 ★★★★☆
歴史上の人物評価は、慣習的に判断してはいけないことがよくわかりました。あの世で悔しい思いだったことでしょう。周りの人間関係から掘り下げた状況判断が求められます。ある意味、井沢氏によって解怨、鎮魂させられている?そういう使命があるのかも。
前言撤回 ★★★★★
評者は以前,『逆説の日本史』は学会批判がいちいちくどく,本論から外れる部分が多いので評価できないと書いたが,改めて文庫版を読み直してみるとこの評価は撤回せざるを得ない.それほど,本書での井沢氏の考察は斬新でありながら説得力があり,良質の推理小説を読んでいるような読後感を感じることが出来る.

P.55 に称徳天皇を当時の人は呂太后になぞらえたとあるのは,明らかに誤りであるが(呂不韋が「ろうあい」を与えたのは呂太后ではなく華陽夫人),しかし,そのような些細な間違いを差し引いても,称徳天皇−道鏡のスキャンダルが藤原氏によって捏造されたものだという考察,さらに称徳天皇が道鏡に皇位を譲ろうとしたのは,当時の先進国中国の易姓革命に習ったものだという説など,実に興味深い指摘だ.

この時代の天皇家にまつわる史実は,知らずにはあまりにももったいない面白さに満ち溢れている.その一端を鮮やかに描出した井沢氏の手腕は,いささか鼻につく記述が多いとしても,認めざるを得ない.古代日本に興味を持っているすべての人にお勧めできる書である.
相変わらずの安定した言説とおもしろさ。 ★★★★★

 毎度毎度、面白い読み物をありがとう、井沢さん!

 相変わらず筆致は読み易さを最優先にした平様簡易なものだ。良い。気取った論文ばかりを読む毎日に飽き飽きしている者にとっては、一服の清涼剤とさえなるであろう。


 さて、内容は本書の目次を参照していただくとして、自分が気になった井沢氏の論説を下記に箇条書きの形で記す。

・称徳天皇陛下と弓削道鏡(そして、恵美押勝)の間に肉体関係は無かった
・称徳天皇陛下の「皇帝への変容(「中華思想」)」への願望と憧れ
・称徳天皇陛下と秦の始皇帝の皇后:呂太后との近似性とそれに伴った「道鏡愛人説」の否定
・新羅の真聖女王が集大成させた「三代目」と、朝鮮半島に於ける男尊女卑
・「荘園」とは「別『荘』の庭『園』」である
・皇室制度は「サナダムシ」の存在を許し、皇帝は許さない
・称徳天皇陛下と弓削道鏡は、京や奈良に蔓延っていた民を苦しめる「私有財産制」に歯止めを掛けようとしていた
・「平安京遷都」は天武朝と天智朝の王朝交代を表している
・イスラエルとパレスチナなど宗教が拘わった紛争に於いては、実利よりもイデオロギーが必ず先行する
・比叡山「延暦」寺と東叡山「寛永」寺の寺号の意味
・黄永融氏の、古代日本の宮都の造りと風水思想に関する論文
・陰陽道には本来、鎮魂の思想は無いこと
・「仏滅」は本来、「物滅」であり、仏教とは関係が無い
・平安期以降、死刑が事実上無くなる
・「軍国主義者=非国民」と云う逆転のレッテル
・諱と字を使い分ける、その行為の隠された意味
・キリスト教国やその他多くの国家に幅広く見られる「ポピュラー・ネーム」が日本では殆ど見られないこと
・キリスト教国では「宗教と科学は反駁しない」関係が成立する


 金銭的余裕が無い学生としては文庫化が待ち遠しいこのシリーズ、自分も続けてレビューを書いていくので、井沢さん、続きの著作をどんどんよろしくお願いします!

日本史を理解する為に必要な新たな考え方 ★★★★★
1、2巻で、
・和の信仰
・怨霊信仰
が日本を貫く大事な思想である事を喝破した著者が、本書では新たな視点を提示しています。
それが、「言霊信仰」で、「言った事が現実になる」と言う考え方です。

著者はこの言霊(コトアゲ)については複数の著書を著しており、そちらの方が内容は詳しいのですが、これが単独で機能する考え方ではなく、和と怨霊とセットになって機能するところが日本史のユニークなところであり、面白いところです。

この3点が現代に生きる我々にも影響を及ぼしている事、それくらい重要な事なのに、他の歴史学者がほとんど認めていない点も、日本という国を象徴している気がします。