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戦争と平和 それでもイラク人を嫌いになれない

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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変なタイトル ★☆☆☆☆
タイトルからして偽善っぽい。

あなたたちが誘拐されたからって、日本人全てがイラク人を嫌いになるとでもいいたいの?

むしろ嫌われたのはあなたたちのほうじゃん。

あと、この人のボランティアのやり方はどうも納得出来ない。日本でバイトして稼いだ金を全てイラクの子供たちに投入って、なんか無理がある。いつまでつづけられるの?こんなこと。
子供たちも彼女に依存してしまうんじゃない?ちゃんと自立支援してるんだろうか?

宮崎あおいがドキュメンタリー番組で、すごくお金を必要としている貧しい子に最後までお金を恵んであげなかったことがすごく苦しい決断だったけど、潔いことに思えました。

あと、ネパール(多分?)で貧しい人を助けるために自ら会社を起こして、ネパール人を雇うことで、この国を支援できると考えた女性がいましたが、彼女のほうがよっぽど人助けについてちゃんと考えてる気がします。

自己責任を雄弁に語る真実 ★★★★★
センセーショナルに報道されたイラクでの日本人拉致・人質事件の被害者である高遠菜穂子氏本人が著する真相・そして再思考のススメ。

時系列に当時のマスコミ報道・政治情勢・首相発言が併記されており、ハラハラしながら彼等の安全をTV越に願った6年前が、追体験出来た。

事件への声明として小泉元首相の第一声は「自衛隊撤退はありえない」だった。

そして現れた「自己責任論」。

3人を助けてほしいけど、自衛隊撤退が無理ならどうすれば?身代金、莫大な税金、テロ、そもそも大義なきイラク侵攻に片棒を担いだ政府の失態・・・

頭で考えるより先に、マスコミの圧倒的な情報・価値基準に流され、思考することなく、「政治で国は変わらない」などと解ったようなことを言う。

自分もそんな情けない愚民の一人だったことを恥じた。
そして、改めて「思考の仕方」から始めなければと痛感する。

危険な紛争地に赴くNPO・ボランテア。彼らの現地での地道な活動によってネットワーク・情報網が確立されていく。それらを足掛かりに政府は調査団を派遣し、国としての行動指針・体制を整えていく。

「自己責任」で活躍してくれる民間が存在しなければ、政府は動くことも出来ず、だからこそ民間への資金面を通したバックアップなどが継続的に行われているのだ。

いざ彼らに危険が迫った時、すべてを個人の責任問題に締結させて、マスコミと共に批判に回るしかない政府の寝返りぶりは、そのまま自衛隊派遣の「大義なさ」を露骨に表しているように思う。

被害者の一人、18才のジャーナリスト志願の今井明紀君は、高校生時代からNPOなどを通して平和活動に精力的に取り組む青年だった。

彼のイラク入りの目的は劣化ウラン弾の危険を訴えるための絵本作りだったが、自衛隊駐屯地のサマワという土地自体、劣化ウラン弾汚染地区であもあるのだ。

「被爆する可能性がある」という極めて重大な情報を、当の自衛隊本人達すら知らされていないという恐ろしい事実。

アメリカでは湾岸戦争時から使われた劣化ウラン弾が原因とみられる白血病・癌を発症し死亡した元兵士の増加が著しく、これを憂慮したオーストリア軍はイラク撤退を決める。

イラクの民間人の間では、湾岸戦争以後から白血病患者が3倍に増加している。

これらの国民が知るべき情報を、政府はしっかり把握していながら公開せずにシラを切り通している。

叩くべき対象は、無知を省みない自分自身とそのホームベースであり、「自己責任」を体現して示したのがどしらの側であったのか、改めて思い知らされた。
ジャーナリズムのかけらもない本とラベルを貼って ★☆☆☆☆
 タイムカプセルに埋めて未来の人に教えたいです。
 私の町にも公演に来ました。でも言ってることはいつも同じです「私はイラクの人々が大好きです、ですからみなさんもイラクの人を嫌いにならないでください」
これを実際涙ぐみながら訴えるのです。困るよそんなこといきなり言われても。別に私はイラクの人が悪いひとたちだとも思わないし、嫌いじゃないよ。なんでそんなことを何回も力説するの?
 私は三人生きて解放されたことはなによりよかったと思ったし、けして税金の無駄使いだったとも思わない。帰国後のバッシングも酷いなと感じたけど、こんな風に叩かれたのは日本で一生懸命に家族や自分の生活のために働いている人たち、それから家族を支える主婦、結局のところイラクに行くことのなかった日本国民の殆どを暗に批判し、自分達の行動こそ正しかった言い続けたことが国民の神経を逆なでしたのかもしれないと思った。正論が時に人を傷つけることがあるんだよと言いたい。
 それにせっかくイラクに行ったのにその現状をレポートしていない。全部自分の感情にまかせて書いてあるだけ。その辺の旅行記と変わりない。
私は高遠さんにはゴイティソロの「サラエボノート」を読んで戦争とその惨状に眼を向けるタフさを身につけてほしかったですよ。それともただ単にイラクの人々が好きで行ったんだから戦争は嫌いで、イラク戦争の当時の状況を伝える義務はないの?おかしいなぁ。
これじゃ、わざわざイラクに行って自己実現できてよかったねとしか言えません。
 私は会社で働くことも、家庭を守ることも、日本に貢献することも、世界平和に貢献することも、すべて等価値だと思いますけどね。彼女のしたかったことはわかりますし、否定しません。ただこれからはもうすこし迷惑をかけた分きちんとその責任がとれる、自分の意見を持った大人として成長してほしいと思います。
気分が悪くなる ★★★★★
2004年にイラクで武装集団によって拉致された挙げ句、自己責任バッシングまで受けてしまった高遠菜穂子さんの、イラクに対する想いが書かれた本。エッセイみたいな感じになっています。

この本を読んでいると、やっぱり当時の自己責任バッシングを思い出して気分が悪くなってしまいます。“自己責任”と言えば、最近では貧困で苦しんでいる人々を見殺しにする言い訳として使われていますが、高遠さん達のケースでは犯罪被害者を見殺しにする言い訳として使われていたんですね。なんというか、“自己責任”の害毒たるや凄まじいものがありますね…。

この本は、高遠さんの考えを知りたい方にオススメです。未だにやれ“自己責任”だ“3馬鹿”だと高遠さん達を罵倒する手合いの意見を読むよりは、この本を読んだ方が遥かに有意義かと思います。
時と共に変わること ★★★★★
 拉致事件の起きた2004年には、私も「何故、非常時のイラクに民間人が?」と、感じていた1人だった。
 遅ればせながら、今、この本を読んでみて思う事は、出版社の意図が何であれ、著者がこの本を上梓したことは正しかった、ということである。
 今や、イラク戦争への評価は大きく変わりつつある。
 本書は、2004年当時に、イラクで本当に何が起こっていたか?という記録の書としても価値があり、拉致された3人に対するバッシングが納まった今こそ、冷静に読まれるべきであろう。
 事件後、数年を経た現在、彼女らがどのような生き方をしているか?というのは、大切なことである。
 また、発売当初に批判的な意見を書いた人たちは、その後、どのように生きてきたのであろうか?