ステレオタイプ過ぎるかもしれないが
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ドラマの内容にケチはつけない。ただ財前=権力の権現、里美=ヒューマニストの塊というのは医者の世界でも、一般の世界でも同じで、極端に描きすぎる。あそこまでは現実にはあり得ない。特に里美が十津川村(幕末の志士が隠れ潜んだ山奥)まで何度も往診に行くとか、保険検診でない薬のために自腹を切る(実際研究者は自分のために自腹を切る事はあります)という行動までは通常考えられない。あそこまではやり過ぎの観がある。ただこれれらが伏線になって最後の死の場面での財前の里美に対する自戒の言葉が活きて来るのであるが。ところで5cmの胃がんになるまで自覚症状が無かったのかというのも納得行かないし、学術会議会員というものの価値を大袈裟に考え過ぎる観が拭えないが、とにかく最後の死の場面ではほろりとさせられる。特に田宮二郎ご本人が現実に亡くなられているのですから余計その気持ちは募る。砂の器と同じく何度もリメークされている日本を代表する名作である。是非観て頂きたいドラマである。
第一部が一番面白い、第三部は可哀想過ぎる、毎回最後にクローズアップされる田宮二郎の表情に涙が出る
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毎回最後にアップされる田宮二郎の表情に男泣きする。
そこに男の全ての情熱がクローズアップされているのだ。
友情を捨て名誉を選んだ、だがしかし、それによって胸を突き刺されている悲しい表情。
その全てを理解し包容するケイ子。
日本史上最高傑作ドラマの完結編。
その結末は余りに悲し過ぎる。
俳優田宮二郎の最高演技を皆に見てもらいたい。
エンディングの音楽が・・・♪
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↑皆さん、覚えておられますか?
今流行りのモーツァルトのレクイエム「ラクリモサ(涙の日)」です。
私は、このエンディングの音楽の使い方に驚嘆しました。
田宮二郎演じる財前教授の苦悩、山本学演じる里見助教授の哀しみが、全て凝縮されたような気がいたしました。あれだけ栄耀を極めた財前教授が、最後はわずかな医師に見守られながら解剖室に向かうシーンは、さながらモーツァルトが貧困で共同墓地に入れられたのと同じような、はかない最期を見ているようでした。
ストーリーは皆様書いておられるので、いわずもがな・・・です。
私のお勧めは、財前自身がガンだと言うことを、黄疸症状が自分に出てきたことを気付いた時の、絶望と苦悩の表情です。鏡に写した自分の顔を食い入るように見つめる田宮二郎の演技が圧巻でした。
永遠の名作!
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27年たった現在でも古く見えない不思議な作品。
田宮二郎の迫真の演技はもう伝説です。
2003年唐沢版に比べ1978年版は原作に忠実に制作されただけに21話~最終章は、
唐沢版で味わうことの出来ない財前と里見に<生き方>の対比が鮮明です。
特に誤診裁判第一審あたりから山本學演じる里見助教授が徐々にクローズアップされていますし、
田宮二郎の恐ろしいまでの迫真の演技を完全に受けとめた山本學の演技に脱帽です。
誤診裁判第一審~第二審での財前(田宮)と里見(山本)の演技は、唐沢版で味わうことの出来ない緊迫した演技が堪能できます。
この作品は色あせる事はないでしょう。
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今見ても古さは感じさせないドラマというのは、そうそうお目にかかれません。しかしこれは1978年から26年の年月を経ているにもかかわらず全くといってよいほど素晴らしい出来です。この古さを感じさせないドラマ「白い巨塔」をご覧になられてはいかがでしょう?