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ドミノ (角川文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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   ファンタジー、ミステリ、ホラーと、傍流系文学すべてにわたるジャンル開拓者としての恩田陸の仕事は注目すべきものだ。本作は、2つの紙袋が偶然入れ違うという小さなできごとが、まさにドミノ倒しのごとく、しだいに大事件へと膨れあがっていく様子をコミカルに描いたスラップスティック・コメディである。

   7月のある蒸し暑い午後、営業成績の締め切り日を迎え色めき立つ生命保険会社から、差し入れ買い出しのためにOLが東京駅に向かって走りだす。ここを物語の出発点として、ミュージカルのオーディションを受ける母娘、俳句仲間とのオフ会のため初めて上京した老人、ミステリーの会の幹事長のポストを推理合戦によって決めようとする学生たち、従妹の協力のもと別れ話を成功させようともくろむ青年実業家、訪日中のホラー映画監督など、さまざまな人間が複雑に絡みあうなかで、物語は日本中を揺るがす大事件へと発展していく。

   状況ごとにかき分けられたプロット同士が因果律によって綿密にリンクしあい、登場人物の内面に深く入り込んだ視点によってできごとが相互主観的に語られていく。井上夢人の傑作『99人の最終電車』を連想させる作品だ。人物造形や状況描写などが多少パターン化されている感は否めないが、登場人物が東京駅に集うクライマックスに向けて、ジェットコースターに乗っているかのような気分で一気に読ませる手練には驚嘆せざるを得ない。エンターテイメントに徹した快作である。(榎本正樹)

何か心に残るものはないけれども本書を読んで嫌な気になるわけではなく、スカッとする印象を残す。 ★★★★☆
主要な登場人物は27人と1匹。紙袋の入れ違いから、真夏の東京駅でこれらの人物が互いに絡みあって、ドミノみたいに崩れ去るドタバタ喜劇。何か心に残るものはないけれども、本書を読んで嫌な気になるわけではなく、スカッとする印象を残す。

登場人物が多くて困惑するかなと思ったら、うまく書き分けられているかなと思う。そのなかには、中心人物、周辺にいる人物、中心人物の幇助をする人物などいます。わからなかったら、冒頭の「登場人物より一言」を見返すといいでしょう。
ごくごく普通の娯楽小説 ★★★☆☆
様々な人物が現れ、それぞれに於いて各々の物語が展開し、
やがて一つに収束するという作品で、
各自のドタバタ劇が巧く繋がるところに面白みがあるかも知れない。

ただそのために無理な箇所がどうしても生じる為、
これを馬鹿馬鹿しいお笑い小説と捉えられればいいのだが、
真面目に期待して読むと肩すかしを食らう。

なぜならば、色々な人物がいる割には何処かで見たような、
或いは読んだようなステレオタイプな人物をよく目にするし、
やっぱりこうなるかと言った、安易に展開が読めてしまう点が存在するからだ。

そう言った意味で意外感はなく、
B級娯楽映画を、ポテチをバリボリ食べながら、
ワハハと見るイメージを詰め込んだような小説になっている。
ある意味、恩田色があるともいえる。

それはそれでとても愉しく安心して読めるのかも知れない。
恩田ワールド全開 ★★★★☆
 とにかく登場人物が多いです。そして一見すると話はそれぞれバラバラにみえます。
最初は一体これがどうやって結びつくのか心配と興味で読んでいましたが最後は見事に
つながって感心しました。冒険でも恋愛でも恐怖でもない、新しい?ジャンルの本だと
思います。
ドタバタコメディー ★★★☆☆
勘違い劇というよりはドタバタコメディーといった感じか。
伊坂幸太郎の作品を分かりやすく,もっとエンターテイメント的つまりはグロテスクな部分を無くした作品とも言える

また,東京と言った劇場を使ったドタバタ劇と考えると面白い
風呂敷の広げ方は秀逸、でもたたみ方は・・・? ★★★☆☆
まず、登場人物の数に驚きました。

しかし、少しずつ読み進めていくうちに、誰がどういう性格で、どういう立場で、
どういう役回りをするのか、自然とわかるようになっているのはさすが恩田陸さんです。

そこから、丁寧に広げられる話が、どういう展開になるのだろうとわくわくさせてくれます。

・・・しかし、いざクライマックスへ!となったときの、高揚感がいまいちわきませんでした。

張り廻られた伏線、それの回収の仕方は素晴らしく上手なのですが、
すごくおもしろい!
という展開にはなりませんでした。

つまり、なんとなく背骨の話は、
結末が見えてしまっている、ということが大きな原因だったように思います。

巧く構成された、ドタバタ劇が読みたい人にお薦めです。