「だから、僕は太鼓持ちなんですよ。でもね… 僕が太鼓持ってる人は、『本物』ですよ。」
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第4巻も各挿話はそれなりに面白かったが3巻の時のようなインパクトはあまり感じられなかった。それでも取り上げられた人物には興味を惹かれた。
・ 「宇宙科学は…… 人間の『精神的幸せ』に重要な意味があると思うんですよ。」――国内最高ロケットエンジン技術研究者・沖田耕一(宇宙航空研究開発機構(JAXA)勤務)
・ 「やっぱ男は金使わなきゃダメだね。金いっぱい持ってて使い方わかんないんじゃ、でかいことはできないよ。」――月刊『ソトコト』編集長・小黒一三
・ 「何かを失うと『別の何か』が入ってくるもんなんですよ。」――カリスマ整体師・寺門琢己
・ 「マイナスがある所にはプラスの可能性があるっていうことです。知らないことがあることは次への飛躍の可能性を含んでいるんです。」――共生の暮らしを実践する市民・岸裕司(秋津コミュニティ顧問)
そのほかにもVシネマの帝王・哀川翔氏(『ゼブラーマン』主演)や妖怪漫画の大御所・水木しげる氏(代表作『ゲゲゲの鬼太郎』)はもちろん昔から存じ上げており、読了後、両氏の人柄に改めて興味を惹かれた(哀川氏の新幹線での大捕り物や現在の奥様との出会いの挿話は面白く、水木氏の少年期や激戦地ラバウルの挿話、先住民少年トペトロとの友情話に関しては『コミック昭和史』をお薦めする)。
今回本書で一番気に入ったのが現代を代表するコピーライター・糸井重里氏の挿話で『すごいのに人に認められていない作品や人物に対してほっておけない』氏の一言
「だから、僕は太鼓持ちなんですよ。でもね… 僕が太鼓持ってる人は、『本物』ですよ。」
この一言が糸井氏の現在の姿を現していると思う。
静かで熱い第4巻
★★★★★
四巻は一見静かに見える人たちの熱い情熱を感じます。
へぇ〜の連続です。
他の巻とのつながりもあって面白いです。
糸井重里:安全で楽な所ではおいしい人間は育ちませんよね。
岩瀬公一:科学技術のせいで環境が悪化したといっても「原始時代」には戻れませんからね。
沖田耕一:宇宙を調べてると、今までの価値観がガラッと変る情報が−いきなり入ってきますからね・・・
今宮純:レーサーとかじゃなくても、レースに関われる道があるはずだ。
小黒一三:金なんかなくなったって、明日になりゃ誰かが持ってくるんだよ。
寺門琢己:僕は人間に一番大切なのは「アイディア」だと思うんですよ。
大西健丞:目の前で人の一生に限りがあることを知ってしまったんですよね。
哀川翔:やりゃいいでしょ。
岸裕司:大人っていってもいろいろいて、変な人っていってもたかが知れてるんですよ。
水木しげる:今日はトルコ人が来てるね。
特に水木しげるさんの幸福の七か条は必読です。
回答が与えられるわけじゃない。
★★★★☆
本シリーズはバブル後期に登場した異色恋愛マンガ
『Bバージン』の作者山田玲司が、様々な「その道の達人」たちに
インタヴューを試みるマンガ対談集である。
対談のポイントは概ね、達人たちが
1.どうやって生きてきたのか、というルーツ探しに始まり
2.今後この現代を生き抜く指針を聞き出す
というパターンで進んでいく。
第三巻までの作者は<社会悪>というものに対し戦っていく、
言い換えれば現状批判というスタンスを採ることが多かったが、
本巻を契機に<他人>を賞賛し、共生していくという
穏やかなスタンスに変化している気がする。
それは大きな、大きな転換である。
取材対象の幅広さが楽しい
★★★★★
今回もジャンル・有名無名にとらわれず色んな分野に対して
インタビュアーを発掘してきてくれてとても面白く読める。
第一巻からマンネリが心配でも読み続けているが、この巻までは
その楽しく読ませてくれている。
個人的には哀川翔の話が面白かった。
人生を切り開くのはいろんなやり方がある
★★★★★
今回も個性豊かな人たちだ。
面白かったんは水木しげるさん。絵で見るまで片腕が無いってことを知らなかったし、ああいった戦争に出向いて、しかも過酷な状況だったとしても、あそこまでマイルドに生きられる姿を見るのって本当にすがすがしい。
今の日本のファスト経済の風潮よりも、戦争中のほうが厳しかったでしょうに…。
あと哀川さんは答がいい!
山田さんも『大人テスト』で300円くらいの文庫本書かないかなあ?