安定感がある語りで、内容も適度な怖さで最後まで楽しむことができました。

最初から最後までハズレのない怪談で、アルバムの完成度はかなり高いと思います。

また、聞き疲れのしない強弱と流れがあり、稲川怪談初心者にも聞きやすいものになっています。

お勧めです。

実体験に基づいた、おどろおどろしく、悲惨な話だけを稲川氏に求めるのは既に過ぎてしまったという感がある。過去の名作と称される作品は、ある意味、勢いに任せた、若さゆえの産物だったのかも知れない。

稲川淳二さんも還暦を迎え、語りに円熟みを感じるようになってきた。まるで、エンターテイメントから伝統芸への変遷を遂げたような気すらする。

このCDは、まさに変遷の時期にある話をより抜いたセレクション盤と言えよう。

彼のファンであるなら、聞き手としても、腰を据えて、ゆったりとした気持ちで聴く時期にきていると思うし、何より、稲川氏の話に惹かれるのは、強烈な怖さより、安心感なのかも知れない。

そんなことを気付かされる貴重な一枚である。

毎年発売される、MYSTERY NIGHT TOURシリーズ の第5弾。
今回は、稲川淳二が実際に体験した思われる「二軒長屋」が
非常に気にいっていますが、このCDのメイン（？）とも呼ばれている
「にわか坊主の怨み」は私には微妙でした。
稲川さんの怪談話もとうとう劣ってきたCDだと思います。
いい加減別のシリーズを出してもらいたいです…。

P.S.
Selection4 よりは出来が良いです。

稲川淳二のＣＤは全て持っていますが、MYSTERY NIGHT‾ TOURシリーズは押さえて欲しい一品ですね。今回のCDは、私的には、「にわか坊主の怨み」は大変良いほうだと思います。