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番茶菓子 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

価格: ¥987
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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作文集 ★★★★★
ちゃきちゃき は 尖り を感じる人もいるかもしれない。
この本は、その 尖り が若干丸みを帯びているようだ。
この丸みが、読み手の緊張も和らげ、落着かせてくれる。

ことばのひとつひとつに慎重な筆者のあとがきを読むと、
随筆やエッセイでもなく、小論でもないのでしょう。
この本は、40歳を超えたひとりの女性が書いた 作文集。
だから、かもしれない。そう思いました。
幸田文の修行の跡。 ★★★☆☆
著者が文筆業をはじめて間もない頃に書かれた随筆集。
後の湧き出るようななにかはまだ現れず、堅く、読者の目をたぶんに意識している風が感じられる。

前半と後半では初出の年に10年ほどの開きがある。
後半の文章には著者特有の、些事からの心理を削りだしが明確。

天性の才と幼児から息のように吸っていた教養から生まれたと思っていた幸田文の見事な文体も、10年という修行を経て完成の域に達するものかと思うと感慨深い。

本著の名前は娘・青木玉氏の「幸田文の箪笥の引出し」にも見える。
単行本で初出版されたときには、緑の苔を踏んでこちらに向う幸田文さんが歩いてくる写真が表紙だったそうだ。

その表紙が文庫では再現されていないのが残念。