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だましゑ歌麿 (文春文庫)

価格: ¥860
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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柳橋界隈じゃ南町の千一に胸を焦がしている女が大勢おります ★★★★☆
 人気絵師歌麿の女房が大水のどさくさにまぎれて殺される事件がおきた。
 南町同心の仙波が探ろうとしていたが、歌麿が「病死」の届けをだしてしまい事件自体がもみ消されてしまった。
 改革で贅沢品の取り締まりが厳しくなる世相の中、こんどは「蔵に贅沢品をしまっていた店」を狙った押し込み強盗が出没する。

 南町同心の仙波の捕り物が主軸で、実在の歌麿や蔦屋重三郎、若き日野葛飾北斎が意外な活躍を見せてくれます。
 推理の謎解きの面白さにくわえ、当時の庶民の暮らしぶりや浮世絵や狂歌、黄表紙といったものの描写が身近に感じられて楽しく読みました。
 

 
誤摩化し無しの考証 ★★★★☆
江戸史と美術史の考証はさすがです。情報量が多い今日では、この手の小説は、とても文章力だけでは読んでいられません。歴史と言えども人の営み、文化的には、実は平成の方が昭和より江戸後期に近いので、かえって、あんまり古い作家 (今では鬼籍の先生方とか) にはこうした爛熟文化の艶は描ききれない感覚だと思います。この本は最近テレビドラマになりましたが、別ものとして観た方が面白いでしょう。二時間ドラマでこんな複雑さは出せませんが、逆に、視覚効果では、ドラマに出来て文字では無理なものがありますから。原作では、主題の歌麿自身以上に北斎が面白い。日本のルネサンスでしたよね、この頃は。北斎の巨人振りの片鱗をちゃんと感じさせてくれる、美術史の素人では書けない素敵な一編です。
江戸時代に思いをはせる ★★★☆☆
「歌麿」に一貫して「うたまる」というふりがながついていましたが,「うたまる」のほうが正しいのかな? ずっと「うたまろ」だと思っていました.漢字変換しても出てこないし.

物語は,松平定信の行き過ぎた改革でぎくしゃくしている江戸の町で,人気絵師歌麿の女房が惨殺され,南町奉行所の同心,仙波一之進がそれを探るうち,陰謀が明らかになっていくというもの.

歌麿はじめ,松平定信とか長谷川平蔵,京伝や北斎など実在の人物がいっぱい出てきます.おなじみの名前は,それぞれ持っているイメージというか,先入観みたいなものがあるので,それがぶちこわされるのも面白かったです.
松本幸四郎=鼻高屋ってのもありましたし,蔦屋ってのは今のTSUTAYAなんだろうかとか,本筋と離れたところでの楽しみもありました.←調べてみたところ,違うようです.ただ,TSUTAYA創立の際,蔦屋にあやかって社名をつけたようですが.

しかし,江戸時代って,不思議な時代です.
生活様式も考え方も,まるで遠い外国みたいにまったく違うし,制度もよくわからない.警察組織なんて,なんかわかったようなわからないような,という部分で,わたしにとっては,アメリカの警察制度と変りません.
でも,見知った名前は出てくるし,なんだか郷愁を誘う部分もあるし,すごく魅力的です.遠いけど,でもつながっているってところがいいのかもしれません
おもしろい★5つ ★★★★★
面白いです、「千に一つのお目こぼしもない」と言われている、
硬派の同心主人公「仙波一之進」が大きな謎に、敵に向かって行きます。
誰が味方か敵か判らないストーリ、ご存知、長谷川平蔵も関わって来ます。
久々に読み応えのある時代小説でした。
普通の文庫本の2倍ほどの厚みには少々気後れしそうですが、
それだけの読後感(爽快感)はあります
騙されたと思って読んでみて下さい。
ちなみにこの作品は長編で、シリーズ物(?)として次に
本編では端役のおこうが主人公で「おこう紅絵暦」が出ていますし
第三弾として本編では端役の春朗が主人公の「春朗合わせ鏡」が出ています
本編以外は短編です
胸がすっとする ★★★★☆
高橋克彦の江戸を舞台にした作品はほとんどが面白いと思いますが、これはその中でも上のほうではないかと思います。
実在の人物がどんどん出てきて、名前を知っているだけに登場人物に入り込むことが出来ます。
最後は胸のすくようなハッピーエンド!やっぱこうでなくっちゃ!