疲れた。。
★★★☆☆
評価が高いので読んでみました。
浮世絵の知識がないので正直、ついて行くのにつらい物がありました。
あとは登場人物の名前がけっこう平凡なのでだれがだれか後半かなり混乱しました。
終盤一気に謎解きされますが、中盤にももう少しヤマがあればだれずに読めたのにな。。。
ただの事実。そして真実。
★★★★★
多数の別人説が唱えられる謎多き写楽。そんな写楽をモチーフとした高橋克彦氏のデビュー作。徹底して掘り下げた知識に,洗練された
推理要素を加味した魅力的な歴史ミステリーに仕上がっています。
おなじ浮世絵の世界においても著しいスタンスの違いから激しく対立する二つの協会がストーリーの主要な背景。その一方の私大に属して
浮世絵研究に励む津田が,ひょんな偶然から手に入れた画集にはなんと歴史を覆す写楽の正体が秘められていた。。それを証明する為に
奔走する物語前半は活発かつ瑞々しく描かれる。対して後半はどす黒い欲望が跳梁跋扈する。そのコントラストがとても強烈。
ただ,特徴として歴史的事実を必要以上に誇張する訳でもなく,変に恣意的な真実味を押しつける訳でもないので読み易い。著者の独自の
開拓精神が光ります。
蝕まれる現実に歪められる理想と。。そんなやるせなさを鮮烈に描破している傑作だ。
作者のその後の活躍をものがたる傑作
★★★★☆
週刊文春1983ベスト10 総合1位
浮世絵研究者としての経験が遺憾無く発揮された高橋克彦氏のデビュー作。
東洲斎写楽が秋田蘭画の近松昌栄であるとの仮説を追う、大学の研究者 津田の活動を主軸として、その周辺におこる犯罪を描いている。題名から、写楽その人の殺人事件を扱っているかの印象を受けるが、犯罪そのものの舞台は現代である。
津田の調査から、田沼時代から寛政の改革に至る時代の、蔦屋をとりまく逸材達と、秋田藩との関係が明らかになっていく。この過程が、とても説得力があって、興味深い。この時代に明るくなくとも、背景が丁寧に描かれているので、読む人を選ぶことはないと思う(冗長さを感じる人もいるかもしれないが)。反面、現代に発生する犯罪が、(少しだけ)うすっぺらく感じてしまうのが、残念。展開上、都合よすぎるようなところは、さりげなくフォローしているようで、抵抗感はなかったけれど。
江戸川乱歩賞の選定員からは、専門性が高いだけに、受賞後(次作)が心配との評があったが、作者の現在の活躍を見るとこの懸念は払拭されている。この賞の受賞作品は、すべてが面白いとは思わないけれど、本作品は、傑作だ。
「へ〜 本当かい!」と・・・
★★★★☆
写楽、北斎、広重という3ビッグネーム浮世絵師の名を冠した殺人事件物三部作の皮切りとなる作品。確かに三冊並んで本棚にあったはずなのに、読もうと思ったら写楽がない。しようがないからまた買いこみましたよ。
読み始めて頁を繰っていくほどに、「へ〜 本当かえ」と思い始め、仕舞いには「てっきり」そうなんだと思わされてしまった。
後書きを読んで「な〜んちゃって・・・」と作者に明かされたときにはガクッと膝が折れる羽目に。後書きを読まなきゃあ信じ込んで周りに吹聴していたかも知れない。危なかったなあ。
初めてであった高橋克彦の衝撃
★★★★★
20年ほど前でしょうか、本書を手にした時の衝撃は今でも忘れられません。
本当に食事することも忘れて一気に読んでしまいました。
読後、高橋克彦氏のデビュー作と知り更に衝撃を受けました。
緻密な論証、素人にも分かり易い解説、目の前に実物の浮世絵が拡がっているようなリアリティのある筆致。
あまりにも圧倒的で感動しました。
ただの推理小説程度に思って買ったのですがタイトルと中身のギャップが凄い。