北斎は隠密だって確信しちゃう
★★★★☆
殺人事件の部分は全然記憶にないんだけれど、「北斎は隠密だったのか」っていう部分の謎は本当におもしろくて、凄い印象に残っている。これって何も殺人事件を出さなくても、北斎は隠密かって部分だけの方が、もっとおもしろかったんじゃないかな・・・。写楽殺人事件もそうだけど、殺人事件の部分はなくてもいいという、珍しいミステリー。
確かに状況証拠ばかりなんだけれど、これだけ状況証拠が出てくるってことじたい、絶対なんかある気がする。実際には、北斎が隠密だったっていう学説はどうなんだろうか? 芭蕉が隠密だったんだから、北斎が隠密であっても、僕は全然おかしくないと思います。
ちなみに主人公達が小布施を訪問する章があるんですが、小布施は思いっきり観光地なので、けっこう旅のバイブルとしても使えるかもしれないですよ。
浮世絵師という職業
★★★★☆
今を生きる我々には画家というと「芸術家」とか「アーティスト」「表現者」などと格好良いカテゴリーに勝手に当て嵌めてしまいます。
しかし本作では浮世絵師、中でも極めて著名な葛飾北斎を極めて人間臭く猥雑な一個人として描かれており衝撃的でした。
よくよく考えれば画家も浮世絵師も人気商売、芸能人と一緒で売れるためなら不本意な絵も描けば切り売りもする。
本当に描きたいことだけを描く、なんてことはそうそう出来ることじゃないのでしょうね。
北斎隠密説は大変説得力がある。
★★★★★
著者の浮世絵シリーズの第2弾。多分ベスト。文章もこなれてきたし、血市況も豊富、何より楽しそうに書いてる点が好ましい。
北斎隠密説は大変説得力がある。この新説に感服した。
浮世絵ファンなら必読すべき本。
但し、ミステリーの筋はまだ慣れてない。
すごい力作
★★★★☆
すごい力作です。浮世絵シリーズの中では、一番好きかも。北斎だけでなく、他の豪華な登場人物との関わりあい方なども、興味深いです。これこそ真の歴史ミステリーです。
浮世絵ミステリーの最高傑作
★★★★★
その90年の生涯において、その偉大なる業績とは裏腹に様々な
奇行が伝聞されている絵師・葛飾北斎。
彼の謎めいた足跡から作者はあっと驚くようなその素性を推察し、
同時に美術界のどす黒い暗部を暴き立てていきます。
まさに浮世絵ミステリーの最高傑作といえるでしょう!