SFのスパイスを効かせた怪獣モノ
★★★★☆
怪獣をSF的に考察した連作小説.
山本氏らしく,引用文献が豊富で
世界各地の神話や伝承からストーリーを組み立てていて
なかなか巧みな仕上がりである.
また,怪獣を「気象災害」と位置づけるアイディアも面白い.
単に怪獣の存在をうんちくを並べてもっともらしく理論武装しただけでなく,
それに対して人間がどう対応するか,という点もよく練られている.
この辺がハードSFらしい部分である.
ストーリーは「気特対」のハードな公務員の日常をイントロにして
最終話の大きな陰謀に迫っていく.
キャラもよく立っていて,ややマンガ的なところは
特撮モノを意識した意図的な演出なのだろう.
ただ,残念なことに,筆力が今ひとつ.
例えば,セリフをとっても,少々ステレオタイプな印象は否めない.
この点を星1つ減点.
気象庁、ですか..
★★★☆☆
テレビドラマの第一話をみて好感をもったので購入。
しかし私には合わなかったようだ。
「ウルトラマンのいないウルトラマンの世界」という設定は素晴らしいと思うのだが、
話の核となる設定やその描写がいちいち頭にひっかかってしまうのだ。
火器使用が前提となる職務や市民の保護をするであればやはり気象庁なんかではなく
警察・消防方面が出てくるのではないのか?、とか。
そう考えるとやっぱりパトレイバーIIIを思い出さずにはおられず意気消沈。
神話や妖怪まででてくると、もうこれがSFというのなら、
ゲゲゲの鬼太郎だってスレイヤーズだってSFだと言い張ることができるだろう、とか。
さりとて登場人物達が掘り下げて魅力的にかかれているわけでもなし。
私としてはジャンルとして「伝奇もの」に分類。それがふさわしいと思う。
菊地秀行や夢枕獏が好きな人が、「伝奇ものだ」と思って読むならOK,かも。
本格SFな怪獣SF!
★★★★☆
作中で怪獣対策にあたる「気特対」のネタがウルトラマンの科学特捜隊(科特隊)であることは、誰でも気づきます。ただし、気特対は気象庁の一部門であり、武力を持っていませんから、雰囲気はウルトラQかSRIかって所です。そんなノリで読んでいくと、やがて、ガツンガツン、頭をぶん殴られたような感じになります。
なんだよ、この「トップを狙え』な世界。これって、ガチなSF、それも「伝奇ハードSF」とでも言うべき小説じゃん。
詳しい話を書くとネタを割りますから一言だけにしますが、「人間原理」という単語にピンと来たらもう買いです。もちろん怪獣や特撮が好きでもおっけー。最後は某ウルトラでも登場したあの有名人(??)が出た上で、ハードSFとしてきれいに閉じます。
じゃあなぜ四つ星かって、そりぁーあたしの好きな大映系の○○○とか△△△とかが出ないからですよ。解説を読むと『なーるほど」とは思いますが。
警告〜
★★★★★
「怪獣」の実在する世界の短編集です。
しかし笑える小説ではありません。
作中人物達は皆真面目に真剣に怪獣に立ち向かい、
作者も真摯に怪獣を現代世界に生み出す努力をし、
そこにお笑い要素は全くありません。
…内容紹介にもレビューにも、この本が「お笑い」のジャンルとは一言も無かったのに、「怪獣の出てくる話」と聞いただけで
「笑える楽しい小説なんだ」と思い込み、購入して読み進めて驚いた私。
いや読了したら充分面白かったですけど…。
解説にも書かれてましたが、逆に
「怪獣の出てくる話ったって、どうせくだらんパロディや揚げ足取りで、怪獣ありえねー!!って笑い者にしてる話なんだろ?」
って心配してる方。
そんな方にはかなり嬉しい本なんじゃないでしょうか。
ついに……
★★★★★
ついに文庫本化ですね。 さらに、なんとTVドラマとして映像化ですね。
モンスター達はどう表現するんだろう? 姫なんて無理では?w
あ〜、楽しみだなぁw
さて本の感想は、個人的には結構読みやすかったです。 一気に読めます。 ウルトラマンのいないウルトラマンの世界みたいに感じました。 とても面白かったです。
続編を熱く希望です。
ただ表紙は前の方がよかったと思います。